フキの葉でお尻を拭いた日々

私の履歴書

〈秋田のなまはげ
この3~4歳の頃、兄弟げんかや、だだをこねて泣き叫んでいると、やって来るのがなまはげなのです。
「親のゆうごと聞かねえ、めらし子おらねがあ~~~」(親の言う事を聞かない子供はおらんか)。

母は、「ほらほら、ゆうごと聞かねがら、なまはげ来た!」。そこで私目は泣き止むのです。
なまはげは、親父の部下なのを頭で分かっていても、やはり私目は餓鬼。

更に、正月になると獅子舞がやって来ます。兄弟四人、畳に正座していると、ガブッと頭を噛む。
手加減はしているとは思いますが、子供にとっては結構痛い。足はしびれるし、頭は痛いし。
獅子舞に強く噛まれたら賢くなると言いいますが、賢くならなくてもいい。目に涙。


〈あひるに追われた夢〉
夢の中で、母が石段を降りて行く。私は、追っかけてその石段に来た時、数羽のあひるが「グワ~、グワ~」と鳴きながら行く手を塞ぐのです。

どうしても前に行けない! 母は、どんどん石段を降りて行く!
「かあさ~ん!かあさ~~ん!」と叫んでも、母はどんどん遠ざかって行く。前には進めない。

ここで目が覚めました。夢とは分かっていても、あひるが怖かったし、母に見捨てられたと思ったし、クスンクスンとふとんの中で明け方まで泣きましたね。

翌日から、あひるを追いかけて遊ぶのは止め、当分、近づきませんでした。
今でも、この時の夢の中での怖さを忘れられないですね。



〈まさに便所〉
休日は学校も閑散としていましたね。
表で遊んで、急に運呼を催した時は、学校の便所に飛び込むのです。

それが『ドボン方式』。ポトンと落ちると、遙か下から尻にピッと跳ね返り!しかも、新聞紙が無い時が多々。
急遽、ふきの葉っぱをもいで紙の代用にするのですが、すっきりと拭ける訳にはいかないのです。

こういう時は、夕方、母は、クンクンと私を嗅ぐのです。
「クセな!(臭いな)、またふきの葉っぱで拭いたな!」

だから、私は今でも、野のフキの葉を見る都度、お尻が臭っていないか気になるのです。


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(写真の坂の上が、あひるに邪魔された場所。当時のこの坂は、急な石段でした)