大震災六回目の黙示
先日の1月9日未明のこと。
寒くて半覚醒。
布団を蹴飛ばしている。寒いはず。
その布団を襟まで手繰り寄せてやれやれ。
◆ ◆ ◆
と、酔って寝込んでいる私が見える。
花壇の中で。
寒いだろう。
その私は、傍らのバッグを拾い上げ担(かつ)いで急な石段を登る。
早く登らなければと心は急(せ)くも混雑して前にはなかなか進めない。
眼下に横たうのは大河?
それとも雪原?
大河だ!
その向こうの遙か彼方に見えるは孤立した白い建物。
.
.そこから微かに響くのは小学校唱歌。
先生は2~3名かな?
先生は、白い帽子を大河に向けて投げる。
帽子はブーラメンのように回転しながら遠く美しく着水する。
それを観て子供達であろう拍手の音が微かに小さく響いてくる。
あのような教育もあったのかと思いながら余韻に浸る。
それも束の間、心は早く上らなければ!と思うも前が詰まって上れない。
じりじりしながらの私に睡魔が襲う。
眠りに落ちてしまう。
◆ ◆ ◆
この光景は何処だろう?
大河?津波?に流される街。
あの石段は我が街の若山神社か?
それとも田舎の本荘・鶴舞公園の石段なのか?
これが六回目の黙示。
◆ ◆ ◆
一回目黙示 3月13日 家が半倒壊
二回目黙示 3月23日 家が完全倒壊黙示
四回目黙示 4月23日 田舎の空き家は更地になっている
五回目黙示 震災は●年9月15日、そして201●年3月30日