散るならば

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写句詩(うつくし・二句一行詩)


  水無瀬晩秋歌③




       『 散るならば  密かに散るらん 』  




           季節は廻る。今年も秋は終わりを告げようと

             している。紅葉はやがて密やかに散る。

                私も散る時は静かに散りたい。





    〈写真は、宵闇が近づく水無瀬の渓谷の紅葉〉

      京都の寺社仏閣の紅葉は、沢山の人から感嘆されるのですが、
      ここ水無瀬川の上流の渓谷で紅く燃える紅葉には、誰も振り向きはしませんね。

      せせらぎの小さな音だけが響き、月光がかすかにさしこむ。
      隠岐の島に流された後鳥羽上皇は、ひそやかに亡くなったのですね。