財界人が行列していた湯島の芸者
私の履歴書・399
演題は「経営の基本」
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翌12日はケーススタディとして二人の社長が登場しました。
午前が 「一代で上場」 をテーマとした フルサト工業㈱社長 古里龍一氏。注)大証一部【8087】http://www.furusato.co.jp/
午後が 「企業再建」 をテーマとした セーレン㈱社長 川田達男氏。注)セーレン㈱川田社長の講演については既に述べていますね。
フルサト工業㈱社長古里龍一氏の場合も講演後、質疑応答となりました。
古里社長は、いかにも温厚な人柄が身体全体からにじみ出ていました。この人の奥さんとはどんな人だろう。社長と同様、柔和なお人柄かな?
私は迷わず質問しました。
「古里社長にとって、女性とはどのような関係だったのですか?」
実は「奥様はどのようなお人ですか」と言うつもりがこう言ってしまったのです。
社長はにこりと微笑みながら、意外な言葉を発したのです。
砕けたお人でしたね。
以下、社長の回答内容です。
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男は女性によって事業の成否を左右される場合が多いことは確か。女性には 「あげまん」 と言われる人がいる。
注)まさかここでその言葉を使うとは! 我等には衝撃でした。
注)「あげまん」と言う言葉は、1990年(平成2)伊丹十三監督 映画「あげまん」で広く知れ渡りました。
注)あげまんの意味は、関係した男性に幸運をもたらしたり運気をあげる女性のこと。運気をさげる女性がさげまん。花柳界の隠語。
あげまんの代表的な例は、湯島の芸者「常松」(仮称)という女性だそうです。
注)芸者の名前は忘れました。「松」の字がついていたような。
仮に「常松」と称します。
注)この芸者「常松」については、、確か新聞記事になったことがあるはずです。(1991年の朝日?日経?)
参考) 芸者 萬龍(まんりゅう)
明治40年人気投票でNO.1になった芸者
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石坂泰三氏が戦後公職追放されたとき、芸者常松と出会い、身請けします。
とたん、石坂旦那さんはトントン拍子に出世していったのでした。注)身請けとは、お金を払ってお妾さん(おめかけさん)にすること。
その石坂氏の後に芸者常松を身請けした人も、トントン拍子に出世します。
更にその次に旦那さんになられた方も、トントン拍子に出世します。
注)この1992年当時、常松は60歳代半ば。
この年齢にも拘らず、身請け要望の財界人の順番は決まっていたそうです。ですから、彼女が80歳を超えても身請けする人がいるとのこと。
古里社長が、その順番に名を連ねたとしたら、彼女を身請けした時の彼女の年齢は100歳は超えているだろうとのことでした。
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ナポレオン・ヒルが9歳のとき母が死亡。
継母(学校長の未亡人)がやってきます。
ある朝、継母マーサは入れ歯を壊してしまいます。
鍛冶屋の父は「マーサ、こんなものは簡単に作れるよ」と言うと、マーサは感激し、持っていたフライパンを落として父に抱きついてキス。「あなたって何と素晴らしい」と言いながら。
ヒルは父には入れ歯など作れないと思っていたけど、結果は驚くものでした。
父は材料を買い揃え、入れ歯を作ります。
それが、それが、継母マーサにピッタリの入れ歯なのです。
その後、父は技術を向上させ、歯の治療の仕事で成功します。
処が、これは違法行為。これ以上継続したら刑務所行きです。
「もう終わりだ。資格をとるには試験を受けなきゃならない。でも試験に受かる能力は無い」と言う父に継母マーサが力強く言うのです。
「試験を受けなきゃならないのだったら、受ければいい」
継母マーサは、前夫の生命保険で40歳の父をルイブル歯科大学に通わせます。父は成績優秀で四年を三年で卒業して歯科医となるのです。
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以上がナポレオン・ヒルの継母マーサについての逸話の一つです。思うに、継母マーサと芸者常松とは幾つかの共通点があったでしょう。
お二人さんともに、美人じゃないけど温和な性格。
それと、旦那さんに常に発する共通の言葉があったはずです。
それは、
「あなたは素晴らしい」
「あなたなら出来るわ」
さだまさし「無縁坂」
お蔦 「別れろ切れろは芸者のときに言う言葉・・今の私にはいっそ死ねと言ってください」
(続編)
私の履歴書・400 研修参加者の大半がその後役員に就任
(※)私の履歴書 40代本社編目次