妻への告白

 
 
イメージ 1
 
 
    私の履歴書・364
 
 
 
残念にも彼女の退職は決まっていましたので、女子事務員の募集をかけました。
 
 
 
北海道の女性は美し過ぎる。
 
更に、霞ヶ関官僚の羽を伸ばす為に無法地帯にした「すすきの」。
当時は街のど真ん中のビル1Fが寿司屋や居酒屋。処が2F以上トルコ。
 
これでは狂ってしまう。
本州とは世界が違い過ぎる。
 
そこで、子供の春休み期間に引越しをするという当初の予定を早め、二月初めに家族を札幌に呼びましたね。私の履歴書237)
 
実は、その時、妻に依頼したことがあったのです。
 
       ★
 
「お願いがある。
二日に一度は私を抜いて欲しい。
 
特に道内出張の前夜は、いかなる事があろうとも私を抜いてくれ。
そうでなければ私は狂い、不測の事態に陥るかもしれない」
 
       ★
 
だから、私は午前何時に帰宅しようが妻との合体でした。
出張前夜のセレモニーでした。
 
でも、前夜何があろうが、煙草を何箱吸おうが、当時私は45歳前後。
但し、出張で午前0時に近づくと、日頃の睡眠不足と疲労で睡魔が襲う。
 
 
北見に出張した時ですね。
北見事務所で塚本君が思わぬことを言いました。
 
「所長、伊織さんのご主人から電話が来ました」
実は、以前、塚本君家族と伊織さん夫婦は近所同士で親しくしていました。
 
「何でまた君に?」
「伊織さんの様子が普通でないから、会社で何があったのかの探りでした」
「普通でないって?」
「伊織さん、帰宅して家事をしながらでも涙を流しているそうです」
 
その頃も、札幌事務所にいると、伊織さんから必ず電話が来ました。
いつも涙声で。
 
「所長、いつ会えるの?」
 
まともに話しを出来るのが電話だけ。
その状態が1ヶ月か続きました。
 
 
 
その頃ですね。
妻に今までの伊織さんとの出来事を全て話したのは。
 
妻は、黙って聞いていました。
翌日以降、妻から笑顔が消えたように思いましたね。
 
 
                                     留萌慕情(9