道北での満天の星屑

 
 
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    私の履歴書・339 
 
夕方斎木君と私はLL社稚内営業所に入りました。
 
議題は、稚内国道(R40)沿いの商店へのロゴ機販売戦略ですね。
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注1 )ロゴ機 商品のシンボルマークを塗装した機器
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実態はLL社ロゴ機が思うように設置出来ていないのです。
 
 
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設置出来たのが、豊富町の国道沿い南出入り口にあるA商店のみ。
 
国道沿いのB・C・D・E商店を落とせない。更に国道から入った街中の商店も落とせない。
注2)右の地図の商店所在地は不確実です。
 
各商店共にLL社との取引額は小さい。
 
故に、LL社ロゴ機を設置するにしても、商店側の負担額は大きい。
 
 
戦略的には、単純市場の一本道だから二点攻略法の挟み撃ちがベスト。その場合は、南端のA商店と北端のB商店が要(かなめ)となる。
 
処が、北のB商店では「従来の機器を50万円で買い取りをしてくれなきゃ、ロゴ機を入れない」と突っぱねている。
 
確かに購入してから未だ二年。
減価償却は済んでいない。
 
だが、何故かこの機器は錆びてボロボロだと言う。
置き場所が常時雨水や雪を直接浴びる場所のようでした。
 
話し合いの結果、B商店に対してLL社は当初の援助額を倍にすること。
我社は、その機器を30万円で引き取ると言うことにしました。
 
その他諸々の話も終ってから牧田所長と居酒屋へ。
但し、斎木君はアルコール無しで食べるだけ。
翌朝、旭川で大事な用件が有るのでその夜に旭川に帰らなければならない。
 
稚内を斉木君の運転する車で帰路についたのが午後8時過ぎ。
稚内国道(R40号線)を走るも、もうこの時間帯では車の影は皆無。
 
途中までしか出来ていないバイパスに入りました。
闇夜でしたね。
家一軒の灯りも無い荒野(?)の中を車は進みます。
 
遠く道の前方で二つの眼が光ります。
キタキツネ?
 
それにしても道路のど真ん中で。
ヘッドライトの光に眩惑されて身動き出来ないでいる。
 
野犬でしたね。
車は、その野犬の直前で停止。
 
斎木君に言いました。
「この犬は、このままではいつか車に跳ねられる。夜の道路の恐ろしさを今体験させておかなくっちゃ」
「どうするのですか?」
「車でじわじわと野犬を押して路肩から落とせ」
 
車は野犬ににじり寄りました。
ヘッドライトの真ん前でずるずる下がる野犬。
それに応じて進む車。
遂に、路肩まで後ずさりした野犬。
尚もにじり寄る。
 
その時、野犬がヘッドライトの視角から消えたとたん「チャポン」と水音。
浅い側溝に落ちたのです。
 
「濡れた身体では寒くて震えるでしょうね」
「これで懲りて、もう真夜中に道路へは出てこないだろう」
 
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車は再び闇夜の荒野(?)を走ります。
ふとフロントガラスから見上げると夜空に星屑。
 
車を停めてもらい、車外に出ました。
吐息は白く漂う。
 
遠く遙かなる闇の向こうには地平線? それとも山の端?
見上げました。夜空を。
 
満天の星空。
果てしなく広がる宇宙。
 
宇宙の中の私の存在がいかにちっぽけなものか。
私という存在は何?
 
北海道の四年間勤務中、冴え渡る満天の星屑を観た記憶があるのは、ここ道北と、道東オンネトー野中温泉別館の露天風呂からの見上げた夜空私の履歴書・320の二度だけでしたね。
 
 (ユーチューブ 冬の星座)

その後の斎木君は苦労しました。
例のB商店にLL社営業員と何度か訪問。
 
斎木君の方は旭川からですから移動だけで往復8時間はかかる。
斉木君は嘆く。
「ここに費やす営業時間を旭川で使った方が遙かに実績が上るのに」
 
やむを得なく、B商店のボロボロの機器を40万円で買い取ることで決着。
 
B商店にLL社ロゴ機を設置すると、以後、同じく稚内国道筋のA商店とB商店の間にある商店(C,D,E)から順次受注。挟み撃ちの将棋倒しですね。
 
更に、国道筋から中に入った商店からも受注。
こうしてLL社稚内営業所では、年度末予算分30台を消化出来ました。
 
我社にとっては永年マーケットシェアー0%のエリアで、従来独占していたブラウン社を圧倒しました。それも僅か半年で。
 
但し、それまで使用していた商店の古い機器の買い取りで出費もしました。
個々僅かな金額でも、台数が重なると結構大きな金額となりましたね。
 
そして3月末のこと、
LL社稚内営業所牧田所長へは、北見営業所長としての栄転辞令が出ました。
 
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 参考2)
 
 
場所は、日本海沿いのオロロンライン
稚内市抜海(ばっかい)村
 
尚、通年、大阪に沢山いるのはトドですね。
 
 
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参考3)
 
稚内に出張中、霞んだサハリンを観たはずですが、その映像の記憶は無いですね。
 
当時、稚内港を見下ろせるレストランで見たものは、ロシア船と波止場で集まるロシア人でしたね。
 
注)画像は、稚内市観光交流課の許可を頂いて掲載しております。