当初、笑顔を見せなかった世子(よこ)

 
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1988年4月4日 世子(よこ 22歳)が入社。
 
世子の机の上には、名刺100枚単位の箱5個で500枚。
 
 
辛うじて間に合いました。
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本社に世子の名刺作成依頼をするも、本社の出入り業者では間に合わない。
名刺の台紙を送ってもらい、こちらの印刷屋に依頼。
 
「こんなに使うのですか?」
「名刺は、自分が仕事をしているかどうかのバロメーターだね。
机の上に積み重ねておいてごらん。
恐らく、この500枚はあっと言う間に無くなると思うよ」
 
名刺配りは、過去の自分の立場との決別ですからね。
 
 
昼食は、皆と連れ立って環状通りの新店『びっくりドンキー』だったかも。
午後、世子が運転し私とLL社札幌支店→東支店を訪問。
 
夜は、恒例の歓迎会をさっぽろビール園で。
翌日から魚住君の助手として、仕事を覚えてもらう事にしました。
 
週の半ば、仙台支店松島総務課長が出張で札幌に来ました。
彼の予想とは全く違う世子社員。彼は顔を赤らめる
彼は仙台に帰ってから、世子の事を多方面に話したものですから大変でした。
 
その週末、私は東北の支所長会議で仙台に出張。
会議での仙台支店長の開口一番
 
「皆さん、既に噂で耳に入っていると思いますが、札幌では女性営業社員第一号を採用。それが松島課長の報告によれば元キャンペーンガールで絶世の美人だそうですよ。先日の本社での支店長会議でもこの話でもちきりでした」
 
 
明けて翌週には何箇所からか電話がかかってきましたね。
「早速募集をかけるから参考にその女性の写真を送ってくれ」と言ってきた支店長もいましたね。
 
そこの支店にだけは、写真をコピーでA4に拡大し、FAXで送信しましたね。
 
 
 
我社に鳴物入の入社となった女性営業社員1号の世子(よこ)
万が一、世子が会社を辞めると言い出しはしないかと不安でしたね。
 
私にプレッシャーがかかる。
 
どうしたら良いのか。
机で世子をぼんやり見つめながら思考停止。
 
世子とは目が合っても彼女、ニコリともしない。
ただ、目と目が合うとお互いに目をそむけない。
 
無言で見つめあうことが多かったですね。
これは厚別での初対面の時もそうでした
 
 
世子がこの会社を嫌いになるとしたら原因とは何だろう?
 
先ずは事務所。
女性には見栄えが重要ですからね。
 
それまでの世子の勤務先は、厚別の物流倉庫最上階にある東支店事務所。
そこは新築で白い壁。エアコンでの快適さ。
 
更に景観の良さ。10Fに相当する高さですから札幌の街を見下ろせる。
尚、当時の札幌市内でエアコンが付いているのは、新築ビルのみ。
無論、車のエアコン装備は高級車のみ。
 
反して、我が事務所の外観はおんぼろ。
木造で事務所の真ん中に変な柱が何本かある。
 
それに雑然としている。
エアコンなどは無い。
 
掃き溜めの鶴は、この状況をどう思うだろうか。
コンプレックスを抱きましたね。
 
 
もう一つの私の憂いは、彼女の元上司のLL社東の支店長。
彼女が信頼している人物との事。細面の垢抜けした男。
 
出社初日、彼女と挨拶に行って帰ろうとエレベーターまで来た時、彼女は支店長席まで引き返して改めて話しこんでいましたからね。
私は一人、車の中で30分ほど待っていました。
 
この男が万一、我社のことを中傷したら、世子の心境に大きな変化が起きるかも。
 
それでも尚且つ、 魅力あるものとする為には、何をどうしたら良いのか。
具体的回答を見出せない。
 
やれる事とは何か?
彼女が我社の一員となったと実感させることとは何か?
 
 
それは、温泉一泊二日の講習会しか思いつかなかったですね。
 
急遽、第三週の土曜日に決定。
彼氏とデートの約束の日でしたが、次週に延期してもらいました。
 
さて、
そのデートよりも、講習会の方が良かったと思わせる事が出来るかどうか。
 
いかに世子にとって楽しい講習会とするか
いかに世子が、我社に入社し、新しく何かを発見するか。
 
土曜の午後の講習会は、札幌郊外の温泉旅館の会議室で開催。
これまでの復習中心にケース・スタディーを交えて行いました。
 
ランチェスター戦略』『孫子の兵法』『ナポレオン・ヒル』等の。
ランダムに当てますから社員の受講者は緊張。
 
でも亜子(あこ)だけは違いました。
亜子の場合、休憩時間を織り込んでも二時間が限度。
 
顔と眼は前を向いているのですが、瞳は上を向き始める。
そうなったら、コックリが始まる。前回と同じパターン。
 
皆の「クスクス」の笑い声が始まる。
亜子に質問する。
 
呼びかけても「コクッ」
頭を持ち上げるも再度「コクッ」
 
全員大笑いでしたね。
世子も大笑いしている姿を見てほっとしましたね。
 
眼が覚めた亜子には、再度質問内容を話すのです。
亜子はちゃんと高度な回答ができますから、世子は驚いたでしょうね。
 
世子にライバル心が少しでも湧いてくれることを期待しましたね。
 
次に、
夕食兼宴会を如何に楽しいものとするかでしたね。
 
 
 
参考)
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入社1年7ヶ月の世子(よこ)。24歳。
秋の観楓会(社員旅行)の時です。
ノーメークの時と変わらないですよ。
 
この時は、部下4名を持つ主任でした。
異例の抜擢をしましたからね。
 
キャリア・ウーマンらしい顔になりました。
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22歳の入社時は、もうちょっとふっくらしていましたが。