最も苦手な人から挨拶せよ

 
 
イメージ 2
 
   私の履歴書267
 
着任の1月に全道を車で一周しましたが、2月以降もほぼ毎月、支所を周りました。但し、最初の年は、函館には盆暮れしか行かなかったです。
 
 
何せ、函館出張所の佐藤君(仮称)は、指示を出しても馬耳東風。
それに会議や研修会には一度も出てこない。
 
然し、山川課長(仮称)は彼を大変褒めるのです。
一生懸命頑張っていると。
 
低迷しているのに、一つのエリアに時間をかけるわけにはいかない。事は急を要する。当初は函館を放置しました。
 
先ずは出来るエリアで片っ端から決着をつけなければ、次に進めない。何せ北海道は広いですから。
  
イメージ 1
最初の一年間は、函館を除いて、道内を二つの出張コースに分けました。
 
旭川・北見コース》と《釧路・根室コース》です。
 
旭川・北見コース》は、
札幌→(JR)→旭川→(JR)→北見→女満別空港→千歳空港
 
偶に、紋別空港からYS機で丘珠空港へ。
 
先ず再訪の旭川商業組合では、この管内で我社が新台を販売した場合、一台に付き組合に1万円のバックマージンを払うことで合意。
 
但し、組合が我社を応援することを条件として。
これで、ライバルのブラウン社とは五分五分。
 
次に、LL社旭川営業所攻略。
 
組織は営業が一課と二課の二つ。所長、営業課長二人、営業社員16人、顧客管理・事務系5人の総員24名
 
当時の我社の旭川の社員達は、本来はメンテナンス要員。営業は疎い。拠って、LL社の敷居が高く、単独では訪問出来ない。
 
かって神戸部長が彼等を連れて何度か訪問したのですが、その時だけ。当然、後が続かない。
 
私のとった手法は、
旭川の社員二人を連れて、LL旭川所長と面談。
 
「弊社の旭川には三人の社員しかいませんが、毎日合わせて50軒から100軒の顧客を訪問しています。
 
御社の社員も訪問していますが、顧客が御社には話せない情報を入手していると思います。
 
如何で御座いましょうか。毎朝10分間、御社を訪問させ、前日入手した情報を御社の社員に伝えたいのですが、その許可をいただけないでしょうか」
 
そう言って私は、我社の社員・斉木君(仮称)に話しかけました。
 
「どうですか斉木君、LL所長に何か伝えなければならない情報がありますか?」
RK社が三六街の○田商店に、店舗改装費用として300万円補助するそうです」
 
「塚本君(仮称)は、何かありますか?」
「この話は一昨日、御社の営業の人と街角で会いましたから伝えましたが、今度出来るホテルに、RK社は、無償で機械を5台提供するそうです」
 
 LL所長は、直ぐに、二人の営業課長を呼びました。
 
LL所長 「○田商店にRK社が300万円補助する話を知っているかい?」
一課長 「それは初耳です」
 
LL所長 「それじゃ、新築計画のホテルにRK社が機械を無償で提供する話は?」
二課長 「それは昨日部下から聞きました。明日の会議で報告するつもりでした」
 
LL所長 「明日から毎朝、ウズマサさんのこの方達が来られますから、社員には時間を空けるように指示しておいて下さい」
二人の課長 「分かりました」
 
私 「有難う御座います」
更に私 「塚本君に斉木君、LL所長にお礼を言いなさい」
社員両名 「有難う御座います」
 
これで、毎朝、我社の社員二名は、否が応でも訪問しなければならない状況になったのです。
 
そして、LL社の営業員は、好き嫌いに拘らず我社の社員と会わなければならないことになったのです。
 
LL社を出ますと彼等は言いました。
「流石ですね、水無瀬所長! 凄いですね」
 
私 「いやいや、喜ぶのは早い。言うのは簡単。問題はこれから。つまり。君達が、LL社にとって貴重な情報を入手出来るかどうかですよ」
 
更に、
「単なる挨拶訪問なら、彼等にとって朝の貴重な時間を浪費する事になる。だから、LL社の知らない新たな情報を毎日入手しなければならない。その為には、今までの一日の訪問件数を三倍にすることだね」
 
LL社の駐車場で斎木君と別れ、私は塚本君の車で留萌へ。
雪道を走り、留萌→羽幌の主要顧客と面談し、夕方再度旭川へ。
 
旭川・三六街の居酒屋の小上がりで、彼等は浮かない顔。
 
「どうした? そんな陰気な顔をして」
「どういう風に訪問したら良いですか?」
 
成る程、営業社員16名の中で、我社ファンは2名のみ。
我社のこのエリアでのシュアー(占有率18%)そのもの。
 
敵陣に乗り込むようなものでしたね。
びびるのは当然。
 
「先ずは、一課二課の各課長→アンチ・ウズマサの社員から順次。最後に、我社ファンに挨拶して下さい」
「順序が逆じゃないですか?」
 
LL社旭川営業所をまるっぽ取り込む手法ですよ。我社ファンから挨拶をしたら、アンチの連中は益々アンチの度合いを深める。
 
アンチに嫉妬されたら、陰で何をされるか分からない。我社ファンの二名とは、別途夜に一席設けたらよい。要は、君達が、LL社にとって価値ある存在と思ってもらえるかどうかだね」
 
翌朝、彼等を連れてLL社旭川営業所を訪問。
そこで実践例を彼等に見せました。
 
先ず、事務所のドアを開けるなり、大きな声で第一声。
「おはようございます。ウズマサです」
 
皆が、振り向きましたね。
それから、順次、挨拶をして回りました。
 
その翌日から、彼等は忠実に実践しました。
 
然し、彼等は大変な努力をしたでしょうね。
LL社に毎朝報告する価値ある顧客情報を入手するために。
 
結果が出たのは、その一年後から。
 
                                 つづく