墓穴を掘っていた除雪機の販売

 
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       私の履歴書・260
 
 
1月の函館出張でLL社函館営業所長と面談した時、気になっていた言葉。
 
「甥っ子が、12月までウズマサさんの子会社にお世話になっていましたよ」
 
 
その甥っ子とは、岩佐君(仮称)。26歳・独身。
解散した子会社に勤務。
 
だが再雇用されなかった男。
つまり、山川課長の人選に漏れた訳です。
 
札幌に帰ってから、岩佐君のことを皆に聞いてみました。
皆の話しから窺がえることは、反骨精神旺盛。
 
山川課長が言いました。
「彼を採用するのは止めた方が良いですよ。顧客とトラブルを起しますよ」
&「それに、人の言うことは絶対ききません」
 
子会社時代、山川課長(当時部長)に相当反発していたようです。
再雇用リストから真っ先に削られるタイプですね。
 
然し、LL社函館営業所長の次の転勤先となると札幌支店の次長。
そうなった場合、色々な交渉がやり難い。
 
全道シェア15%の弱者である我社にとって、LL社との関係改善は急務。
ライバル社の連中は、LL社に深く食い込んでいるのに。
 
 
二月になりまして、その岩佐君と面接しました。
そこで彼が過去起したというトラブルの幾つかの状況を聞いてみました。
 
思った通り、理路整然としていましたね。
山川課長では、到底彼を使いこなせないのは明白。
 
迷わず社員採用稟議書を本社に提出。
理由は、「LL社との関係修復のため」
 
仙台支店松島総務課長の本社会議での援護もあり、決裁可。
 
そうと決まると、一人の社員から辞表。
「岩佐君とは一緒に仕事をしたくない」との理由です。
 
こんな個人的感情に左右されていたら仕事にならない。
ならば辞表受理。
 
そこで、再度、新規に社員二名増員の稟議書を提出。
一名でも辞める社員が出る事は、私にとってチャンスでしたからね。
 
赴任の際言われた事。
それは「増員してはならない」
 
この禁止事項を崩すチャンスは今だけ。
但し、赴任二ヶ月目、肝心の札幌は壊滅状態。
 
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子会社時代、メンテナンス部署では業績をあげるために除雪機を販売。
 
小型ロータリー式で販売単価26万円のものを継続して販売していましたね。
 
処が、それが足を引っ張っている。
 
どかっと雪が降った時ほど、除雪機の修理依頼がどかっと来る。
 
それに降雪量の多い地域からほど、どかっと電話がくる。
 
 
道路は狭くなり、更にのろのろ大型除雪車が走るから大渋滞。
メンテナンス依頼は、移動困難な地域から集中する訳です。
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特に岩見沢などは、豪雪地帯でしたからね。
メンテナンスマン一人が訪問できるのは、日に二軒。
 
一般機器の顧客からも怒号の電話。「いつ来るのだ!」
 
受話器をとる女性事務員が胃潰瘍になるのは寧ろ当然。 
除雪機を広域で販売するなら、メンテナンスシフトを変更する必要があったはず。
 
一般の機器メンテ体制とは違いますからね。
例えば、社員の住居を周辺に点在させるとか。
 
それに各自に補修パーツを車に積んでおかせないと対応出来ず。
ホンダなどメーカー品でしたら、補修パーツは揃っていたでしょうに。
 
仕入れ値の低いローカルメーカー品を販売していたのです。
この場合、販売した時は確かに一時的に利益が出るのですが。
 
ローカルメーカーのパーツストックは僅かですし、直ぐに品切れ。
それに倒産した会社のもあり、てんやわんや。
 
こんな状態では、業績の好転は望むべくもありません。
短期間に業績向上して増員を図る等とは夢物語。
 
 
業績は最悪だが、チャンス。
このチャンスとは、着任早々だけの特権みたいなもの。
 
最初の三ヶ月間は業績を問われない。
この期間に何とか新しい社員を増やさなきゃ。
 
 
この社員増員稟議書も、仙台支店松島総務課長の援護で決済可。
松島課長は、月に二度、札幌に来て実態を見ていますから。
 
早速、就職情報誌に社員募集掲載。
二名採用。
 
草間君 28歳 学歴)札幌市内の私大理系卒
魚住君 29歳 学歴)札幌市内の私大文系卒
 
この二人の入社で、事務所の雰囲気が少しは垢抜けしました。
札幌エリア営業は、神戸部長とこの二人の社員の三名体制で再スタート。
 
草間社員には、札幌市内西部・石狩・小樽・倶知安
魚住社員には、札幌市内東部・岩見沢・北広島→千歳・苫小牧→浦河
 
でも、このメンバーだけでは到底カバーは出来ませんね。
他方、思わぬことから、社員増員が出来ることになるのです。