一つを落としたら次も落ちて来ました

イメージ 1
.
前回のあらすじ
.
諦めかけたライバルSD社から仕事を受注。
.
最初の仕事を通じて、SD社の信頼を得る事が出来ました。

尚、申し送れましたが、この頃、太秦電機㈱はCIを行い、社名を㈱ウズマサに変更していました。
以下、㈱ウズマサと称します。

私の履歴書・219

1986年初夏
㈱ウズマサ本社中庭会議室で行われたメンテナンス子会社六社月例役員会議。

席上、私はSD社との継続取引に成功した事と、SD社応接室でのクライマックスシーンを話しました。
(ライバル営業マン二十数名に囲まれた時の状況)

総帥太秦社長初め、他の子会社の役員達は、目を丸くして聴いていました。
無論、この話は、各役員を通じて全国八箇所のS電気㈱冷機事業部支所の連中に瞬く間に伝わりました。

恐らく、S電機㈱冷機事業部本部のウズマサ㈱担当の大谷部長は、心穏やかでないはず。

ひょっとして、これを契機にウズマ㈱とSD社が接近したなら、ウズマ㈱がS電機㈱に年間300億円程の機器製造依頼している取引に風穴が開くかもしれませんからね。

案の定、それから数日後、S電機㈱物流倉庫業務部瀬戸課長から電話。
納品・据付業務を我社にやって欲しいと。

早速おいでなすった!

S電機の大谷部長が、急遽、広島に指示をしたのでしょう。

然し、命令された瀬戸課長にとっては不本意なはず。
まともな仕事が来るはずはありません。

S電機㈱瀬戸課長から要請された一発目の仕事。

それは、2㍑・3㍑アルミ樽生を販売出来るビール自動販売機。
寸法幅一間(180cm)重量1t。

イメージ 2
納品先が国道二号線岩国市錦帯橋を越えて周東町の酒販店だったと思います。
.
据付先が、両側が軽四輪トラック用のプラットホーム上で奥の左側。
(右の写真の様に、線路の両側がプラットホームになっている形)
.
普通トラックでは入れません。
それに天井が低すぎてユニック(クレーン)のアームを伸ばせない。
.
左側のプラットホーム手前には障害物があってここには降ろせません。
右側に本体を一旦降ろして、奥まで移動し、そこで右から左のプラットホームに橋渡しをしなければなりません。

この日は雷雨で、雨がどんどん吹き込んできます。
イメージ 3
両側に長さ2mの鉄パイプを二本渡しました。
その上に本体を乗せて、パイプの上を右から左へとずり動かすのです。
.
力加減を誤ったら、自販機はドスンと落下するでしょう。
雨の中ですから滑りやすい。
.
パイプはしなる。パイプはずり動く。パイプは転がりかかる。
万一巻き込まれたら命沙汰。

左右交互に2~3cmずつ押して動かす。
雨合羽を着ながら必至の作業でしたね。

無事橋渡しが出来た時に、藤川君とお互いにお互いを褒めあいましたね。

次の仕事も難関物だったはずでしたが、これの記憶は無いですね。
その二つをクリアーしましたら、次からは普通の据え置きの仕事が来るようになりました。

そしてそして、

従来のウズマ㈱広島営業所の据付とメンテナンス業務。
それにSD社の納品据付業務。
更にS電機㈱の据付業務ですから車が足りなくなりました。

早速、2t車にユニック(クレーン)とパワーゲートを装備した新車トラック購入稟議書提出。

これは4t車の時と違ってすんなり決裁可でした。
確か、475万円だったと記憶しています。
無論、日産ジーゼルの多田君から購入しました。

快調!快調!


注) CI とは、→ コーポレート・アイデンティティーの略
企業イメージを明確にする為に、企業理念や方針・イメージ・デザイン等に統一性を持たせ、社内外に伝えていくこと。