「ビー・バップ・ハイスクール」全盛時代に高校生だった彼等
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私の二十代前半に付き合った友人達の中には色々な人がいましたね。
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その中で、特に印象深いのは西川君と北井君。
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高校時代の問題児の彼等の心に共通しているのは「純」でした。
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彼等との友好体験が、40歳になってから役に立ちました。
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注)登場人物名は、全て仮称です。
各メーカーが開催している技術講習会一覧表で日程を確認。
開催場所は、大阪か東京です。
開催場所は、大阪か東京です。
社員を順番に、これら技術講習会に参加させました。
先ずは、最年長の篠原主任から。
先ずは、最年長の篠原主任から。
彼は、当初、参加を断りました。
「参加しても内容が分からんし、経費の無駄遣い」と言って。
「参加しても内容が分からんし、経費の無駄遣い」と言って。
私は言いました。
「その言葉は、参加してから言ってくれ。それに、篠原さんが最初に行ってくれないと、次に続く者が行き難い」
「その言葉は、参加してから言ってくれ。それに、篠原さんが最初に行ってくれないと、次に続く者が行き難い」
結局、一人参加するコストは一回につき20万円。
ですから毎月出せる人数は二名が限度でした。
ですから毎月出せる人数は二名が限度でした。
講習会に参加する彼等には、漢和や国語辞典必携。何しろちょっと難しい漢字は読めない。
無論、専門用語などを聞くのは、講習会場で初めてでしょう。
無論、専門用語などを聞くのは、講習会場で初めてでしょう。
報告を聞きますと、講習会に参加し、本人達は大分苦労をしたようです。
他方、講師にご迷惑をかけたようです。何しろ、完全な素人達でしたからね。
他方、講師にご迷惑をかけたようです。何しろ、完全な素人達でしたからね。
恐らく、講師や同室の講習会参加の他社社員は驚いたことでしょう。
入社して間もない基本知識も無い社員に、こんなにコストをかけるとは。
入社して間もない基本知識も無い社員に、こんなにコストをかけるとは。
どの位の効果があったのでしょうかね。彼等は何故か生き生きとして帰ってきました。
当初は、自分達のレベルが余りにも低すぎ、しょげて帰ってくるかもと思っていたのです。
当初は、自分達のレベルが余りにも低すぎ、しょげて帰ってくるかもと思っていたのです。
予想外でした。
講習への参加、並びに宿泊で、色々な人を観て、そして会話をしてきたからでしょうか。
講習への参加、並びに宿泊で、色々な人を観て、そして会話をしてきたからでしょうか。
それがどうも違うようです。
居酒屋で村主社員に聞きました。かまをかけて。
居酒屋で村主社員に聞きました。かまをかけて。
「おい、村主よ。君は大阪に行った事を家族や知人に自慢しただろう?」
「エヘヘ、自慢しました」
「エヘヘ、自慢しました」
一人前の社員として扱ってくれた事が、余程、嬉しかったのでしょうね。
自分は、会社から如何に大事にされている存在かを、周囲に話したのでした。
自分は、会社から如何に大事にされている存在かを、周囲に話したのでした。
居酒屋では、参加した者の自分の講習の体験談の発表会でしたね。
失敗談や成功談、自慢話など。次に行く人は、こうしたらいいとか、持ち物はこれがいいとか。
失敗談や成功談、自慢話など。次に行く人は、こうしたらいいとか、持ち物はこれがいいとか。
驚きでもあり、大笑いしたのは彼等の乗り物の事。
これは私の間違い。
実は違いました。それ相当の理由がありました。
実は違いました。それ相当の理由がありました。
彼等は、新幹線で往復する大阪での講習の方を喜んだのです。
大阪での講習に行った者を、東京の講習に行った者が羨ましがったのです。
大阪での講習に行った者を、東京の講習に行った者が羨ましがったのです。
その理由を聞いてびっくり!
高卒の彼等四名全員が、広島から他府県に出かけたことは皆無とのこと。
私 「修学旅行で、新幹線に乗り京都や東京に行っただろう?」
私 「修学旅行で、新幹線に乗り京都や東京に行っただろう?」
四名全員が、同じ回答でした。皆、歳も高校も違うのに。
「修学旅行の期間中は、停学にさせられました!」
「修学旅行の期間中は、停学にさせられました!」
つまり、学校側としては、彼等を修学旅行に連れて行ったら、どうせロクな事をしない。
事件を起してもらうよりも、この期間だけ、停学にして連れていかない。賢明なる学校長の判断!
事件を起してもらうよりも、この期間だけ、停学にして連れていかない。賢明なる学校長の判断!
その彼等が高校を卒業して幾年経っても悲痛な叫び!
「新幹線に乗って、クラスの皆と修学旅行に行きたかった!」
「新幹線に乗って、クラスの皆と修学旅行に行きたかった!」
まさにそのものの彼等が、この停学期間中、自宅でもんもんとし、涙をポロリしていたとは。
私、お腹の皮がよじれる程笑いこけました。
参考)