京都の町屋のある秘密
ほっこり京都人(14)
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今まで、誰も書かなかった京都ですからね。.
ショックの方、ごめんなさい。
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でも、今度、京都に来られましたら、鴨川のせせらぎに
感傷的になるかもしれませんね。
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祇園白川にひらりと舞い散る桜の花びらに、もののあわれを感じるでしょう。
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今まで観た京都とは景色は同じでも、全く違った京都が現れるのですね。
さて、改めて何処から話をすればいいのか迷います。
尚、以下の話しは全て四十年前のことです。
尚、以下の話しは全て四十年前のことです。
《誇り高き京都の人》
先ずは、不思議に思った事から。
どういうわけか、私、京都では年配の人に好かれましたね。
どういうわけか、私、京都では年配の人に好かれましたね。
京都東山の中腹の農家のご主人にお会いしました。自宅に遊びに来いと言うのです。
その時の雰囲気からお愛想言葉でないと判断し、坂を上って行きました。
その時の雰囲気からお愛想言葉でないと判断し、坂を上って行きました。
背の小さな、そうですね、150cmに満たない人。女子短大の一年生。
後から考えると、一種のお見合いだったのですね。
こういうふうなケースで、他のお嬢さんとのお見合いは、その後、続いて二度ありましたね。
後から考えると、一種のお見合いだったのですね。
こういうふうなケースで、他のお嬢さんとのお見合いは、その後、続いて二度ありましたね。
《血族同士結婚だった旧家》
お見合いを盛んに勧めてくるのです。相手は、京都の旧家のお嬢さん達でしたね。
着物姿のお見合い写真を、呼ばれる度に何枚も見せられて。
着物姿のお見合い写真を、呼ばれる度に何枚も見せられて。
京都の旧家は、結婚相手にも伝統ある血筋を重んじます。
歴代、格式ある旧家同士の婚姻の繰り返しでした。
皇室が何故民間の人と結婚するのかと同じ理由なのです。もう血がどろどろとの事です。
皇室が何故民間の人と結婚するのかと同じ理由なのです。もう血がどろどろとの事です。
極論すれば、数十人しかいない村社会で、何世代にもわたって子供同士が結婚する事。
単なるいとこ同士ではなく、血が血を重ねて、寧ろ、兄妹が結婚するようなものだったのですね。
単なるいとこ同士ではなく、血が血を重ねて、寧ろ、兄妹が結婚するようなものだったのですね。
他の血を入れなければ、一族が血で滅びてしまう!
東北出の私は、三男でもありますし、婿養子として白羽の矢だったのでしょう。
東北出の私は、三男でもありますし、婿養子として白羽の矢だったのでしょう。
《京都の旧家の町屋のこと》
東映のスタントマンをしていた西川君(仮称)を、月に二度、夕方四時になりましたら大きな黒塗りの立派な車が迎えにくるのです。
どこに行くのか聞いても、教えてくれません。秘密なのだそうです。
そのうち、黒塗りの車のお迎えではなく、タクシーを拾って行き出しました。
そのうち、黒塗りの車のお迎えではなく、タクシーを拾って行き出しました。
彼は、そのまま数軒向こうの大きな町屋で下車。そのまま、その町屋に入って行きました。
私は、知らん顔をしてその町屋を通りから垣間見ました。奥が深そうな町屋でしたね。
私は、知らん顔をしてその町屋を通りから垣間見ました。奥が深そうな町屋でしたね。
案の定、奥は相当深いとの事。彼は、その一番奥の部屋へ。
実は、彼は、そこの町屋の20歳代後半のお嬢さんと夕食を共にするためでした。
実は、彼は、そこの町屋の20歳代後半のお嬢さんと夕食を共にするためでした。
ここの旦那さんは、かっ幅のいい人で、奥さんは、京美人との事。
そしてこのお二人さんは縁戚同士の結婚。
そしてこのお二人さんは縁戚同士の結婚。
旦那さんが涙を流して言う不憫(ふびん)なお嬢さんは、生まれてから一度も外に出た事が無いそうです。
これ以上は、この紙面でお話しすることが出来ませんが、皆様の想像したことは恐らく悉く当たっているでしょう。あのことも、このことも、そのことも。
京都の町屋には、他人に入ってもらっては困る秘密があったのですね。
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