山菜で春を味わう

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山菜の季節ですが、田舎の「さしぼ」は、殊更、早春の喜びを味覚で感じます。


毎年この時期、田舎の空家を管理してもらっているおばさんに、送ってもらうのが「さしぼ」。
これを食べると、東北の山村での雪が溶け、長い冬が終わっての待ち焦がれた春一番を感じるのです。

「さしぼ」とは、オオイタドリの若芽のこと。

秋田の本荘・由利地方のものが良品。中でも 特上品は、この地方の、鳥海山麓で採れた物。
これが今では、なかなか手に入らない。田舎の朝市でも鳥海山麓物は無い。

ここ産のものは、独特の酸味とぬめりが強烈。実は、小さい頃は、酸っぱいから嫌いだったのです。

サッと熱湯を通すだけがポイント。これに、醤油をちょろっとかけて食べるのです。

とたん、口の中は、「春が来た!」

強い酸味で出る唾液と、このぬめりが口の中でミックス。

口いっぱいに広がるみずみずしさ。まさに、早春なのです。


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一緒に送ってきたのが、「たけのこ」。これも、なかなかのもの。

京都のたけのこと違って、長さは5センチから10センチ。
この皮をむいて、みそ汁の具。

可愛い甘さ・小振りな味・つややかな味、~~~
京都・長岡京の朝採れのたけのこ刺身より、こちらの方が遙かに春!


(追記)2013.11.05
このササダケ(笹筍)の正式名は、ネマガリダケだそうです。


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実は、一番好きなのは、「鳥海山麓の渓流で採れるセリ」。


一面銀世界ではあるが、渓流の中の岩の雪がようやく溶け始めた時のもの。

中でも、僅か数ミリの黄緑の芽が出たものが最高。

この時のセリは、根がなが~いのです。

これを、おひたしにすると、香り&味、共に「春!春!春!」なのですよ。

残念にも、最近は、採りに行く人がいないそうです。
スーパーで売っているセリで、我慢ですね。