秋の深山は

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写句詩(うつくし・二句一行詩)


  水無瀬晩秋歌①

              『 秋の深山は 青山かな 』







            晩秋の午後の日差しは私を深山に誘う。

            これから水無瀬の山に入る。

            
            毎年、四季ごとに水無瀬川をさかのぼってから幾年経ったのだろう。


            平安時代、皇族・貴族の遊興の地、水無瀬。

            彼らは、ここでの狩りや和歌に興じた。

            後鳥羽上皇は、ここに離宮を建て、こよなく水無瀬を愛した。

            藤原定家は、嵐山から桂川を船で下り、水無瀬離宮に通った。

            後鳥羽上皇新古今和歌集編纂に取り組むために。



            そして、後鳥羽上皇が敗れ、隠岐に流されてから幾百年後の今、

            敗者の地は、歴史の彼方に消えようとしたとしても、

            この地が、私の生涯の地であることに異論はない。


            「人間至る所青山あり

            私を、水無瀬に呼んだ何かしらの古人に感謝す。