夢路の君との熱きベーゼ


初恋慕情
16)夢路の君との熱きベーゼ

昨年(2018年)の7月10日(火)のこと。

午後9時40分、テレビを視ながらベッドに入る。そして目をつむると今は亡き君の顔がこれまで以上にはっきりと大きく見える。

君は右横、左横、それから真正面へとゆっくりと向きを変える。だが何故か真正面の時の君の目は伏したまゝ。私はいつの間にか眠ってしまう。

その3時間後の11日(水)午前0時35分目覚める。未だテレビが点いている。恐らく妻はソファで眠ってしまったのだろう。ベッドの中からリビングのテレビを垣間見てから目を閉じる。

と、再び君が現れる。だが先程とは違って輪郭がだんだんぼやけていき、やがては消える。

翌日12日(木)午後7時32分から妻がNHK総合テレビ「北海道のおなまえ」を視ているのを垣間見る。午後10時20分過ぎ、妻はテレビを視続けているが、私は睡魔に襲われベッドに入り眼を閉じる。

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とたん、4~5間先に白い裸身の女性がベッドの上に仰向け(あおむけ)で横たわっている。その横顔は明らかに昔の君。

私はそっと近づく。
眠っている。
真白き肌に赤き口紅。
私は君のその赤き唇にそっと唇を重ねる。
気が付いた君。
熱きベーゼ。

私の右手は君の真白きふくよかな胸に。
そして更に長い長いデープキス。

やがて君は私の右手を君の秘部へと導く。
そこは潤っていた。
それから君は私の一物(いつもつ)を握る。
おもむろに両股を開く君。

私は君のその開いた両股の間に私の両膝を置く。
そして私が構える。

瞬間、全ての光景は消え失せる。

すぐにテレビの音がした。
NHK柴田祐規子アナの例の如く落ち着いた声がリビングから聞こえる。NHKスペシャル「異常気象新時代」を妻が視ているのだ。

私は一物が落ち着くのを待ってから起き上がった。

   ★   ★   ★

やはり君は、11日の命日にあの世からご帰還されていたのだ。

27年前(1992年)、君は夢の中で電話番号を知らせて来た。私はその番号に何度電話をしようと思ったことか。だが、妻や子供達を裏切るような気がして遂にダイヤルを回せなかった。

その時、恐らく君は不治の病の床にあったに違いない。私に助けを求めたのか、或いは、最後に私に何かを伝えたかったのか。

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君がいつか夢の中で私に聴いて!と言った曲を今日も聴く。

初恋慕情夢路編8)サルビアの花が夢に