サラリーマンは搾取の源泉


私の履歴書 40代本社編

『サラリーマンは搾取の源泉』

1992年(平成4年)本社営業本部営業企画課長の時です。

この時に調べたのが将来受け取る厚生年支給額です。当時の支給基準額は夫婦合わせて年間270万円前後と記憶しています。

当時でも、年々国の借金は増え続けており、シミュレーションすると、国頼りの老後では安心出来る状況にはなりませんでした。

そこで全国各支店で行われる会議や他社の講演会で、「老後は国に頼る事は出来ない故、自己防衛する以外途(みち)は無い」「今から金を残すこと!」と説いて回りました。
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同時に、人生シミュレーションを表にして描いてもらいました。縦軸の単位を1年とし、今の年齢から平均寿命78歳まで。(注)右の表は20代前半のシミュレーション例です。

横軸には各年齢毎、家庭の年間収入額。出費欄には、生活費などの基礎支出と各年齢ごとに予想されるイベントとそれに伴う年間支出額を記入するのです。

例えば、横軸での50歳の欄では、イベントは子供が大学に入学。支出欄には入学金に授業料と仕送りで年間概算で幾ら。51歳の時は、イベント:年間仕送り支出額幾ら。イベント:成人式支出幾ら。60歳の場合は、イベント:子供の結婚式で支出幾ら。78歳の欄にはイベント:自分の葬儀で支出幾ら等と記入するのです。

驚かすつもりではなかったのですが、大半の方が愕然としました。

皆さんが最も強く認識したのは、退職時には住宅ローンンなどの借金を完済しておく必然性でした。

60歳定年後も再就職したとしても働けなくなる65歳になっても多額の借金が残っている場合は、都会を捨てて田舎で畑を耕し自給自足をするか、東南アジアなどの生活費が安くあがる海外への移住が途(みち)とも説きました。

皆さん、この話で勤労意欲を益々増す方が多かったのですが、逆に虚脱感を抱き、嘆きや覚めた言葉を発する方もいて残念でした。

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2007年、ネットで厚生年金を国はどのようにして利殖しているかを調べましたら、驚くべき事実が判明しました。

この年金の投資先一覧表の半数は、何と、財団法人に社団法人。然もこれらの法人の収入は国の税金。つまり、毎年国の税金なくしては存続不可能な組織なのです。更に驚くべきことは、これらの組織は官僚の天下り先で、途方もない給与と退職金なのです。

つまり厚生年金の投資による収入とは、それら法人に国が税金を投入し、それら法人が総経費を差し引いて残った金額を回収したものだったのです。

余談ですが厚生年金で野放図に超赤字宿泊施設を全国に二十数ヶ所も建て、それらを運営する厚生年金事業振興団も天下り先の一つでした。

他方、大工年金や船員年金は破綻寸前故にサラリーマンの厚生年金に合体していました。にも拘わらず、彼らの高額な年金を厚生年金から支給し続けていたのです。

公務員の年金である恩給(共済年金)も何れ破綻する故に、近い将来、厚生年金と合体させるというものでした。※平成27年10月合体(統一)。

つまり、サラリーマンの厚生年金が食い物にされ続けているのです。

※この記事は、2007年に書いたものを元とし、加筆や修正をしたものです。