京料理:迎春の昼会席


前回『二軒茶屋中村楼の480年の歴史』 2019/1/8(火)の続編です。
(前回のURL)

予約時間通り中村楼の門をくぐりました。
(住所)京都市東山区祇園町八坂神社鳥居内
(中村楼HP)

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(この入り口画像はお借りしました)

下足番がいて靴を脱ぎ、ここでコートを預けてから、仲居さんが障子を開けてくれます。

鶴亀松(カクキショウ)の間
庭を楽しみながらですが、京都の底冷えの季節が季節だけに、緑は少ないのは当然ですね。この画像はお借りしました。

仲居さんに導かれて、イス・テーブル席の間(鶴亀松(カクキショウ)の間)へ。

2006年1月2日にマンマと二人でお座敷にて昼会席をいただいた時、ウグイスが目と鼻の先の窓辺の木に飛んで来たので、私が立ってガラス越し30cm程の距離でにらめっこしたものですが、今回はウグイスの姿は見かけず、ちょっと残念でした。

仲居さんが窓際のテーブル席に案内してくれます。

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さて、迎春のお献立

金粉入りお神酒

祝肴
たたき牛蒡(ごぼう)ー縁起の良い食材
田作りーカタクチイワシの幼魚の乾燥品
梅人参ー人参を梅の花に見立てて5枚の花びらに切り込みを入れて「ねじり梅」にする
黒豆ー松の針葉に黒豆を刺す

雑煮 

白味噌仕立て
頭芋 祝大根 日の出人参 小餅 壬生菜 とさ辛子

造り
たい 槍烏賊 あしらいー野菜類

八寸(はっすん)(註1)
いくら醤油漬け 鰻巻く玉子 小鯛小袖寿司 平目求肥巻(ひらめぎゅうひまき) 鰆(さわら)味噌漬け 柿なます ちょろぎあべかわ 姫くわい ちしゃとう
(註1)八寸(はっすん)
「酒のあて」。季節感を表現した料理。起源は奈良時代千利休が八寸の生みの親。

8寸(約24㎝)四方の杉で作った低いふちのある盆のことをいい、この盆に盛りつけた料理も八寸と呼ぶ。厨房であらかじめ、箸で食べやすい一口大(幅3センチくらいに)切られたうえで提供。酒の肴として、海のものと山のもの(精進もの)を合わせて出すことが決まり。

蓋物(ふたもの)
甘鯛蕪(あまだいかぶら)蒸し 銀杏 百合根 銀餡(ぎんあん)-葛を用いて作る餡(あん)の一つ 山葵(わさび)

小吸物
蛤真蒸(はまぐりしんじょう)ー蛤の身に山芋や卵白などのつなぎを加えて成型した練り物
菜種 独活(うど) 木の芽

ご飯 かにご飯
香物 三種盛り

お菓子
黒糖 わらび餅

抹茶 お薄(おうす)

先ずは、ここの仲居さんには、昔と同様、おごり高ぶったものが全く無いことに改めて驚きました。マンマとそれまで何度か京都の老舗料亭で会席をいただいたものですが、その都度、仲居さんの上から目線の姿と言葉には嫌な思いをしたものですが、それが皆無で、心地よく料理をいただけました。

無論、料理の方も素晴らしく、それぞれの料理は、新春を迎えた京料理そのもので、マンマも、今回の会席料理が一番美味しいとのことでした。他のそれまでの同じ昼会席で2倍から3倍の料金のものよりも、或いは、5倍から6倍の夜の会席料理よりも。

各料理毎、素人の私が味を述べるのは、おこがましいので止めにしときます。

余談ですが、
下の画像は、2007年にパチリしたもので、改装前の西に面した通りの土塀です。奥行きの深さがお分かりと思います。八坂神社の南石鳥居は、この塀沿いの向こう端になります。

尚、五十数年前は女将さんが亭内を案内してくれまして、調理場は、この画像の一番手前にあって、壁や天井は歴史を誇る程すすで真っ黒で、かまどがあったことが記憶に残っています。


※ 元日の初詣は八坂神社へ 2019/1/4(金)
※ 帰路:元日八坂神社初詣 2019/1/6(日)

(八寸説明文参照記事)
八寸
(借用画像)