北朝鮮へミサイルをぶち込む日


米国のこれまでの北朝鮮核廃棄交渉で、国際金融資本の傀儡政権であるクリントンとブッシュは、北朝鮮に莫大な援助をしてきた。但し、一説には、その援助の8割を日本が負担し、残る2割の大半は韓国が負担したという。

東亜日報の言葉を借りると、金正恩の『同じ馬を三度売る』姿勢に対し、今回のトランプ大統領は、同じ轍(てつ)を踏むのか。

それとも、交渉決裂で、トランプ大統領北朝鮮にミサイルをぶちこむのか。北朝鮮のこれまで二度の核廃棄詐欺の経由から、北朝鮮へのミサイルぶちこみへの国際社会の非難は極小だろう。

(前回記事)
茶番劇:米朝会談の行方
2018/5/15(火) 

■6月の米朝会談に向け、今後、日を追うごと米国の北朝鮮への要求は益々激しいものとなっていくだろう。
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北朝鮮核兵器テネシー州に移す」米大統領補佐官
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デイリーNKジャパン 2018年05月14日

ジョン・ボルトン米安全保障担当大統領補佐官は13日、ABC放送のインタビューで、北朝鮮の非核化は「永久的かつ検証可能で不可逆的な非核化」(PVID)でなければならず、それが見返りを与える条件となるとの考えを示した。

また、そのためには北朝鮮のウラン濃縮とプルトニウム再処理能力の完全な除去が必要であり、現在ある北朝鮮核兵器は米テネシー州のオークリッジに移すとも述べた。

米国は過去、北朝鮮の非核化の原則として「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)を求めていたが、PVIDはそれよりも踏み込んだ概念となる。

一方、オークリッジには核開発研究機関があり、米国の求めに応じて非核化したリビアからも核物質などが搬入された。

リビアは2003年、核兵器開発計画の放棄を宣言。米国が要求した検証を受け入れた。翌年、米国はリビアに対する制裁を緩和し、連絡事務所を開設。核廃棄を完了した2006年に国交を正常化した。

しかしその後、リビアカダフィ政権は崩壊。北朝鮮は「リビア方式」の非核化が体制を脅かす代表的な事例として捉え、頑なに拒否。段階的な非核化とそれに応じた補償の実行を求めている。

■下記は東亜日報の2012年の記事。流石、東亜日報。分かり易い。
社説全文を掲載する。
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[社説]北朝鮮、同じ馬を3度売る考えなら誤算だ
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韓国紙:東亜日報 Posted March. 02, 2012 07:40,   

北朝鮮が、米国が栄養補助食品を提供することを条件に核関連活動の停止を約束したことは、08年12月の6者協議中断以降、悪化していた核問題を対話のテーブルにのせる契機になるだろう。

金正恩キム・ジョンウン)氏が、政権2ヵ月で核実験と長距離ミサイルの試験発射、ウラン濃縮の停止を約束し、一抹の期待を抱かせたことも事実だ。しかし、今回の合意が実践に移される前に警戒心を緩めることは禁物だ。北朝鮮は94年の米朝枠組み条約とその後の9・19共同宣言を含め、6者協議の合意を常に破り、「核保有国」を宣言した常習犯だ。

米国の評価も慎重だ。米朝高官協議に参加した米国の当局者は、「今回の合意は覆すことができるもので、北朝鮮が違う方向に進む恐れもある」と述べ、警戒心を露にした。クリントン国務長官も「慎重な第一歩」と評価した。

北朝鮮は核活動停止について、「猶予(モラトリアム)」と表現した米国と違い、「一時中止」と主張した。米朝高官協議が北朝鮮の思い通り進まなければ、直ちに核活動を再開するという意味だ。核活動の停止より、米国の栄養支援を掲げたことからも、北朝鮮の下心がうかがえる。

北朝鮮は来月15日、金日成(キム・イルソン)主席の100回目の誕生日を祝うために総力を上げている。金正恩氏は金日成主席と金正日キム・ジョンイル)総書記の偶像化を通じて権力基盤を固める機会に活用するだろう。金正恩氏は、強盛大国の達成を宣言し、米国が送った救護品を住民に贈り物として配るかもしれない。

北朝鮮は、権力交代の度に米国と核協議をする習性がある。金総書記は、金日成主席の死去3ヵ月後、米国と米朝枠組み条約を結んだ。その後、重油と食糧の提供を受け、裏で核開発を継続した。米朝合意を体制安定用の盾に利用したのだ。金正恩氏も父親の道を踏襲する可能性がある。

米国が北朝鮮の策略を看破できずに引きずられれば、核廃棄は一層難しくなる。北朝鮮は、韓国の対話の提案を拒否している。

米国が硬直した南北関係を考慮せず、北朝鮮との対話に熱中すれば、北朝鮮の「通米封南」の術策を助けることになる。

北朝鮮の6者協議首席代表の李容浩(リ・ヨンホ)外務次官が来週ニューヨークを訪問する。米朝対話が進展すればするほど、北朝鮮は南北対話への関心を持たなくなるだろう。米国は、米朝対話の過程で韓国と緊密に協議し、南北関係の改善に妨害になる合意は自制しなければならない。

米朝合意を実践に移すには、道は険しい。国際原子力機関IAEA)査察団の復帰や5MW原子炉を含む寧辺(ヨンビョン)のすべての核活動停止など、解決しなければならない課題が多い。

北朝鮮は、クリントン政府やブッシュ政府時代に、それぞれ米朝枠組み条約と9・19共同宣言で莫大な見返りを得て、「偽りの核廃棄の約束」を売った。オバマ政府はこれまで「同じ馬は買わない」と強調してきた。

2回の核実験に続き、ウラン濃縮核兵器開発に手を出した北朝鮮に、米国が再びだまされるなら、核問題は戻ることのできない川を渡ることになるだろう。(以上、全文)



※『米朝会談:再々騙される日本か』 2018/5/17 (木)