年度末入札のあれこれ余談


年度末入札のあれこれ余談
1995年前後の余談です。

各省庁や地方自治体の場合、一般的に知られているのがその年度に余った予算を使い切るための道路工事です。

建築物や機器類での霞ヶ関の場合は、担当部署が12月にはどの補助金予算がどの程度余るかを把握し、都庁や県庁経由で天下りしている施設や懇意な施設に補助金申請をするように電話で伝えます。この場合は関東エリアが主です。

施設側は、懇意な業者に落札させるために、特にこの時ばかりはわざわざ既成品でない別注仕様を入札条件に加えます。

何故に別注仕様かというと、予め懇意な企業と組んで、同業他社製品に無いある小さな特殊な機能を織り込んだ別注仕様書で入札をかけると、既成品なら入札で何社もの競合札入れとなりますが、この場合、入札に参加できるのは当該の懇意な業者だけとなります。

よしんば他社がその仕様通りに作れるとしても、納期に間に合わないのです。懇意な企業はその時にはもうその仕様書の製品の製造に着手していますから、年度末の3月末までには納入ができるのです。

こんなこともありました。
他社が落札しました。落札した企業は、当初の落札予定業者から当該機器を購入し、それを施設に期限内に納入しました。意地ですね。

当初の落札予定業者としては、作ったのが特殊な別注仕様ですので、他の施設への転売は難しいと判断し、不良在庫となるよりもさばいた方が良いと判断したようです。

また、こんなこともありました。
同じく、他社が落札しましたが、この落札業者の施設への納入機器には、特殊な別注仕様が織り込まれていないのです。この落札業者は、落札してから裏で相当動いたでしょう。

こんなこともありました。ローカルでのことです。
入札参加業者が全員札入れ後、開封もせず、「〇〇企業が落札しました。」と宣言しました。然し、他のどの業者も異論を唱えず、ぞろぞろと落札会場を後にしました。異論を唱えると、今後の施設との取引に支障をきたすからでしょう。

尚、予想はつくと思いますが、新築建物の場合は、申請施設側が既に業者に設計図や諸々の図面を既に描かせており、無論、施工業者も決まっています。このような補助金付き新築物件の場合、政治家が何らかの形で関わっている場合があり、『○△議員の物件』と称します。

全く別の余談ですが、
病院で亡くなった場合、遺族の方達は葬儀屋さんを知らない場合が大半です。

こんな時、病院側は葬儀屋を手配します。
手配された葬儀屋の病院側への謝礼金相場は、ローカルで5万円、大都市部で10万円でした。病院側はその謝礼金職員組合が管理し何らかの行事に使うようです。国公立系の場合は、監督官庁の視察での接待費に流用するケースもありました。

             以上、とりとめもない話ですけど。