御坊市の集団食中毒事件は未必の故意
(私見)
≪未必の故意犯と目される対象者の面々≫
真っ先に挙げられるのは、①レシピを作成した管理栄養士。
次は、②『韓国産のり』を日本産称し、産地偽装していた場合は納入業者
③『韓国産のり』であることを知っていた場合、或いは、韓国産かもしれないと思いつゝ、のりを発注した場合は発注責任者
尚、例へそうでなくても、この時季、加熱を伴わない海産物のレシピそのものによりノロウイルスなどによる食中毒が発生することは予見可能の範囲である。
ノロウイルス検出 和歌山の集団食中毒は給食原因と断定
NHK 1月28日 18時20分
県は、給食が原因の集団食中毒と断定し、調理した給食センターを28日から14日間の営業停止処分にしました。
症状が重い人はおらず、全員快方に向かっているということですが、症状を訴えた人には、いずれも御坊市立給食センターで調理された給食が提供されていて、県は、このセンターを立ち入り調査するなどして原因を調べていました。(中略)
県は、原因となったのは25日に調理された「塩ちゃんこ」や「ホウレンソウとモヤシの磯あえ」などの給食と見ていて、引き続き感染ルートの特定を進めることにしています。(中略)
市は今後、給食の調理方法に問題がなかったかなどを検証したうえで、再発防止策を急ぐことにしています。
(磯和えレシピ例)
小松菜ともやしの磯和え
一人分 28Kcal(塩分 0.7g)
材料 (二人分)
小松菜 ・・・・ 100g
もやし ・・・・ 100g
A)しょうゆ ・・・・ 小さじ2
酢 ・・・・ 小さじ1
ごま油 ・・・・ 小さじ1/4
焼のり ・・・・ 大判1枚
(わたなべ内科クリニック健康レシピ)
傷害罪の未必の故意犯と言える理由
(私見)
第一に、食中毒の原因の多くは、生もの、或いは加熱不十分に依る。拠って、管理栄養士は、メニューに生ものを加える場合、食材の産地、食材の鮮度、調理状態等に充分注意を払うのは無論のこと、食材仕入れ担当者や調理人達に具体的指示をしなければならない。特に今季は例年よりノロウイルスの食中毒が多発している故、一段と注意を要するのは当然である。
この現象は日本だけではない。英国でも多発している。
第二に、食中毒を起こすノロウイルスなどのウイルスは、主に海産物に付着している。更に冬季はノロウイルスなどのウイルスでの食中毒が多発する。拠ってこの時季に加熱を伴わない海産物のレシピは、特に大量調理では避けるのが寧ろ当然であり、敢えてそのレシピを使う理由はない。
改めて述べると、米国疾病対策予防センター(CDC)の調査によると、1997年7月から2000年6月の間にノロウイルスが232件発生し、57%が食品媒介性、16%が人から人へ、3%が水媒介性であった。残る23%の伝達の媒体は特定されなかった。
この食品媒体57%の大半は海産物やその加工品であり、その中での牡蠣(かき)が原因のものは三分の一に過ぎない。他方、23%の媒体不明のケースでは、何れもサラダ、サンドイッチなどの冷たい食品の消費に関連していた。これらのデータを大規模調理現場の管理栄養士が知らない筈はない。
第三に、『のり』のリスクを知っていながらのレシピは、犯罪行為に等しい。
のりは加工食品であり、大量仕入れの場合、市販品のような容器包装に入っていないことから、原料原産地表示の義務はない。拠って、例え納入業者が口頭で国産と称しても、産地偽装が当然の食品業界故、それを信じる方が異常である。
特に韓国産のりは国産と比較し、価格が約半値であることから、大量仕入れの場合、コスト減のため、韓国産、もしくは韓国産の一部混入を指定するか、もしくは、納入業者が混入させていると考えられる。
韓国産のりに食中毒の原因となるノロウイルスなどが混入していることは、かって日本国大使館が警告文書を流したように、或いは中国が輸入禁止したように、或いは、米国食品医薬品局(FDA)が韓国産貝類は人間の糞便を使用していると指摘したように常識である。それも何の検疫もなくフリーパスで日本に入ってくる。
(本件に関しての続編)
『大規模食中毒原因:危機意識の欠如』 2017/2/20(月)
『食中毒被害児童の保護者はノリ業者と管理栄養士を告訴せよ』 2017/3/1(水)
上記、記事文中での原文
●日本国大使館は、2013年、韓国産のりは食中毒のリスクがあると警告していた。
在大韓民国日本国大使館 公報
食中毒に注意せよ。
●韓国のりから基準値を超える発がん性物質―中国メディア
配信日時:2014年9月18日(木)
ワシントン2012年6月14日(ロイター)
米国の前年の場合は、韓国産カキを食べて3人が死亡した。
今年の米国では少なくとも4人はシーフードを食べた後病気に。これらの製品と一緒に行われたすべての缶詰や加工食品は人間の糞便使用の証拠があり、潜在的にノロウイルスで汚染されている"とFDAは声明で述べている。
●カナダ食品検査局 韓国製キムチを全量リコール
2011-10-10 15:30:50
●フランスの衛生省、韓国のキムチで脳細胞が破壊されると言明
2005年5月31日、「食べると人体に悪影響を与える食料」のリストに 韓国の民族料理であるキムチを追加した、と発表した。中毒性が高く、脳細胞にダメージを与える「カプサイシン」が多量に含まれている事が主な理由。
●日本:2004年、西山利正(関西医科大学公衆衛生学教授)
キムチからいろいろな虫卵が出ていると公表。
●日本:2004年8月19日、厚生労働省、韓国産冷蔵平貝に検査義務課す。
輸入された韓国産の生食用冷蔵平貝から基準値を超える腸炎ビブリオが検出された(福岡検疫所)として、今後、 この製品をすべて検査するよう輸入業者に命令。
2011年、時の民主党(民進党)政権下での消費者並びに食品担当 蓮舫内閣府特命大臣は、韓国産の水産物や食品を何の検査なしにフリーパスとした。そこで韓国では、中国の検疫でノロウイルスが検出され、輸入禁止となった「のり」や「キムチ」をフリーパスの日本へ輸出した。更に韓国内で大騒ぎになった生ごみで作った「餃子」も日本へ輸出した。
食中毒の原因菌やウイルス一覧表
ビブリオコレラ、リステリアモノサイトゲネス、ロタウイルス、アデノウイルス、カリシウイルス(アストロウイルス、サポウイルスおよびノロウイルス)、クリプトスポリジウムパルブム、Cyclospora cayetanensis、Giardia lamblia
小腸の中毒および感染
ノロウイルス食中毒事例調査報告
世界的にノロウイルス食中毒に関しての事例研究は山ほどある。
その中から、日本での事例調査報告の一部を抜粋した。
★ ★ ★
食品からのウイルス検出状況:地方衛生研究所から国立感染症研究所に報告されている「集団発生病原体票」に基づくと、2002/03~2010/11シーズンに発生した食中毒を主とするNoV食品媒介感染事例(疑い例を含む)1,341件のうち、食品からNoVが検出された事例は67件(5%)にすぎなかった。NoVが検出された食品はカキを主とする二枚貝が36件と約半数を占め、以下、二枚貝以外の食品22件、水2件
①2011年6月1日および2日に宿泊施設の食事を喫食した18名中、15名が発症した。②事例発生当日、調理従事者1名が軽度の腹痛を呈していた。③使用水は井戸水であったが、遊離残留塩素は検出されなかった。④検査結果、患者15名、13名からウイルスが検出された。⑤RT-PCR法により 遺伝子の検出を行った。
ウイルス別にみると、ノロウイルスGI(NoV GI)は6名、ノロウイルスGII(NoV GII)は9名、サポウイルス(SaV)は10名、アイチウイルス(AiV)は5名から検出され、多くの患者が複数のウイルスに感染していた。アストロウイルス 、ロタウイルス 、アデノウイルス 、エンテロウイルスの遺伝子は検出されなかった。
⑥調理従事者はすべて陰性であった。
⑦患者便、調理従事者便、施設ふきとり検体について細菌学的検査を実施した結果、複数のふきとり検体から黄色ブドウ球菌(コアグラーゼV型、エンテロトキシンD)が検出されたが、調理従事者および患者の検便からは検出されなかったため、今回の食中毒の原因菌ではないと考えられた。
考 察
単一の遺伝子型が検出されることの多い人→人感染事例と異なり、カキ等の二枚貝が原因となった食中毒事例では、複数のウイルスが検出されることが多い。本事例においても複数の遺伝子型のノロウイルス(NoV)、サポウイルス(SaV)およびアイチウイルス(AiV)が検出され、患者の発生・喫食状況から施設で提供された生食の岩カキが原因食品と推定された疫学調査結果と一致した。体調不良の調理従事者は、検査結果が陰性であったことから、体調不良の調理従事者が食品の汚染源ではないと考えられた。
一般にウイルス性食中毒が疑われる事件ではノロウイルス(NoV)が主たる検査対象であるが、二枚貝関連事件などでは多様なウイルスが検出されていることからサポウイルス(SaV)など他の胃腸炎ウイルスの検査も同時に実施することが望まれる。
検査対象は、2000年7月~2010年12月の間に北海道で発生した42事例の患者糞便307検体である。
このうちウイルス1種類のみが検出された事例は61%に過ぎず(ノロウイルスNoV:24事例、サポウイルスSaV:1事例)、39%にあたる16事例からは複数(2~5種類)のウイルスが検出された。
この検出ウイルスの組み合わせはすべて「ノロウイルスNoVと他のウイルス」であり、いずれの事例もノロウイルスNoVの検出率が最も高かった。ノロウイルスNoV以外のウイルスの検出事例数は、アイチウイルスAiV:14、サポウイルスSaV:13、アストロウイルスAstV:3、エンテロウイルスEntV:2事例であった。検体ごとにみた検出ウイルスの組み合わせを図に示した。ウイルス陽性232検体のうち複数ウイルスの検出例は「ノロウイルNoVと他のウイルスの組み合わせ」が57検体(25%)、「サポウイルスSaVとアイチウイルスAiV」が1検体であった。最も多いものでは1検体から5種類のウイルスが検出された。(以後省略)
考 察
校外学習時に発症者44名を含む計96名が14班に分かれて行動していたが、そのうち5つの施設で生シラスを喫食した7班38名中33名が発症していた。また、検査を実施した19名中16名が生シラスの喫食歴があり、その16名中15名からウイルスが検出されたが、生シラスの喫食歴の無い3名からはウイルスは検出されなかった。
以上のように生シラスの喫食の有無と発症またはウイルスの検出の有無との間に有意な相関性がみられた。また、生シラスを喫食した33名のうち、発症日時が特定できている31名についての喫食から発症までの時間は27.5~71時間(平均42.4時間)であり、潜伏時間からも生シラスが原因であることは否定できなかった。(中略)
現在までNoVなどのウイルスがシラスの体内に保持されていたものなのか、またはシラスの体表を汚染していたものなのかの検証には至っていないが、複数のウイルスや種々の遺伝子型が患者から検出されたことから、なんらかの形で直接的あるいは間接的にシラスが下水の汚染を受けた可能性が考えられる。
以上のように本事例は生シラスの喫食とノロウイルスNoV、サポウイルスSaV、アストロウイルスAstVの検出、および消化器症状の有無とに因果関係が強く認められ、生シラスを原因食品とするウイルス性食中毒が疑われる事例であった。
また、ノロウイルスネット(V-Nus Ne)tによる全国規模での分子疫学的解析結果の共有が、各地の流行株の動向把握に役立つとともに、疫学調査の科学的根拠となる可能性を示す事例と思われ、今後とも迅速なデータの共有が望まれる。
2017年02月01日 19時42分 和歌山放送ニュース
御坊市(ごぼうし)給食センターで調理された給食が原因の集団食中毒について調査している和歌山県は、きょう(2月1日)先月(1月)25日に出された磯和えからノロウイルスが検出されたと発表しました。(中略)
また県は、先月25日に実際に調理に携わった調理従事者25人のうち、10人の便からノロウイルスが検出されたこともあわせて発表しました。10人はいずれもこの日の給食を食べているということで、県では、引き続き感染経路の特定を急いでいます。
御坊市のノロウイルス対策本部によりますと、先月30日の午後5時現在で、発症者数はあわせて804人に上っています。(以後、省略)
(その他参考資料)
韓国からのノリ輸入枠を拡大 25年に27億枚へ 日経 2015/12/9 19:30
のりの輸入割当(IQ)に関する日韓協議の結果について 水産庁
原料原産地名を表示しなければならない加工食品
加工食品の原料原産地表示の拡大
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