蜂の一刺し:貴船の流しそうめん
(先日の記事)半世紀前のくだらん出来事 2016/7/23(土)
さて、叡電に乗車。かっては木立深き山の中やススキ野の原野をガッタンゴットン走る田舎電車だったが、今や車窓からの光景は住宅地。やはり半世紀も経つと変わるところは変わる。
小町坂のあたりで紅葉の木が窓をかすめる。
貴船口駅で途中下車し改札口を出ると道の向かい側にバス停があり、行列ができていた。辛うじて我らは乗れたが、十数名は置き去りにされた。
(マップURL)
(註1)京都先斗町に降る雪も~♪ 2008/2/4(月)
処が涼しいはずの貴船だが、かなり蒸し暑い。これはたまらん。
上まで行かずに、途中の川床で会席料理を食べたほうがいい。
そこで、ある料亭の川床までの短い階段を下り始めた。
孫娘 「そうめんあるの?」
中居さん 「そうめんはメニューに入っていますよ」
孫娘 「流しそうめんなの?」
流しそうめんでなくてはならないと宣(のたま)う。
泣かれたら困る。
じわりじわりと坂道を上がっていく。
まだか? まだか?
流しそうめんで釣ったことを一歩進むたびに後悔しながら。
日頃、ろくに歩かない生活を反省しながら。
ようやく『ひろ文』とうちゃこ。
川床には急な階段を降りて行く。
(※)画像は、この階段を下から見上げたもの。
待ち時間は1時間から1時間半だとのこと。
受付で買った缶ビールはしっかり冷えており美味しい。
貴船川に足を浸すも1分が限度。流石に冷たい。
ようやく我らの番。時刻は12時半。やはり1時間強待った。
流しそうめんを小さな滝を前にして食す。
流すレーンは5つ。左に2つ、右に3つ。
つまり1回に5チームで、指定されたレーンで流れてくるそうめんを箸ですくう。
私が食べている時、クマンバチより一回り大きい太った黒い蜂がそばでブンブンしている。うちわで払ったのだが、それが気に食わなかったようだ。
何かが頭に停まったと思った瞬間、「痛!」
かの蜂が私の頭を刺したのだ。さすが牝蜂。
『ハチのひと刺し』と聞こえはいいけど。
瞬時、頭の痛いところを手でバチンと叩くと蜂はポタリと床に落ちた。
これは記念にパチリしなきゃとカメラを構えたら消えていた。残念無念。
まあ然し、床屋に行くのをさぼり、白髪ながらもふくよかな私の頭髪の厚みに、蜂の針が辛うじて届いただけだから、針の毒が私の頭に入らなかたようだ。と言っても、微かな痛みは10分ほど続いたが間もなく消えた。
我らのレーンは並行する3つの内の一番奥で、私は最も下流に位置する。
手前のレーンの他のグループが取り逃がしたソーメンも私のもの。
おかげで私のつゆ入り小鉢は忙しい。
川の冷気にソーメンの冷たさで寒くなったところで赤色のソーメンが流れてくる。
お仕舞の合図だ。
★ ★ ★
帰路はゆるい下り坂で楽なもの。どこかの局か分からんけど、撮影隊がまぁまぁのレベルの女子リポーターを撮影しながら上がってくるのとすれ違う。
坂の途中、水の神様、貴船神社本宮参拝。
短冊には願い事。
この二枚の短冊、どうみても同じ筆跡だが。
書いた女子、いい男との巡り合いを期待する気持ち、分からんでもないが、ここは水の神様。燃える女心を水で消して冷静に男を探そうということかも。
孫娘は本宮で二礼二拍手一礼。
さて、水おみくじを引いて水に浮かべると文字が黒く浮き出る。
それを陽にかざしたら文字が透き通る。
中吉で、さて肝心な『学問』の欄に書かれていることは、『怠るべからず』。
勉強嫌いな孫娘を神様はご存知。
勉強しなきゃ、神様に叱られる。
これが今回の貴船での最大の収穫であった。
★ ★ ★
川床街の端であるバス停まで下りてくるとやはり蒸し暑い。
流しそうめんを食べた奥地のひろ文とは、2°弱は気温が違うのかも。
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(続編)
『京都・貴船神社の「夏越しの大祓」』 2017/6/27(火)
(参考)
貴船神社 由緒
元祖川床の由来