私見「ブラック企業の定義」とは


1994年だったと思いますが、私より一個年上の社員が業務外の病気で亡くなり、会社側は、勤務期間に見合った退職金相当額と別途弔慰金と合わせて確か二千万円の現金を遺族の奥方に渡しました。

更に、奥方には、亭主の死亡から二年間(24ヶ月間)、毎月亭主のもらっていた基本給を支給し、遺族の子供達には高校卒業まで一人あたり毎月数万円の奨学金を支給するというものでした。

49日を過ぎた頃、奥方は社長にお礼の挨拶にやって来て、会社の手厚い処遇に号泣して感謝の意を表明したそうです。

太秦社長はこのことを会議の席上や取引先に「我が社は社員に手厚い」と自慢げに話していたものです。

そんなある日のこと、総務課の可愛い女子事務員に呼び止められました。

「水無瀬部長、○○(亡き社員)さんのこと、ご存知ですか?」
「何かあったのかい?」
「○○さんが亡くなったから会社には7千万円近いお金が入ったのよ。」
「どうしてそんな大金が入るの?」
「会社が社員を団体生命保険にかけていたそうです。」
「ヘェ~、たまげたね。社員の了解なしに生命保険をかけられるのか。」
「私も初めて知りましたわ。」
「と言うことは、社員が死ぬと会社は儲かるということか。」
「水無瀬部長、これ、私が言ったことは内緒ですよ。」
「オォ~、yes、yes 」



私見

ここ数年、特に大手飲食チェーン店のワタミが過酷な労働での過労死や残業代未支払いで裁判沙汰などになっていたが、経営者側からの視点ではどうであろうか。

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ワタミの「過酷すぎる労働実態」明らかに 過労死裁判で会社側が「是正勧告書」提出 2014.09.22

2014年9月22日、東京地方裁判所ワタミ過労死裁判の第5回口頭弁論が行われた。原告(遺族)側が提出を求めていた「是正勧告書」や「指導票」をワタミ側が提出し、裁判は進展を見せている。

是正勧告書とは、労働基準監督署の調査のもと、労働基準法労働安全衛生法に違反した企業に交付されるもの。その中には過重労働や安全配慮の欠如、残業代の未払いなど、ワタミの過酷な労働実態が綴られていた。(以下省略)

ワタミ、赤字70億円に拡大 15年3月期無配に 
2015/2/9  日経

ワタミは9日、2015年3月期通期の連結最終損益が70億円の赤字(前期は49億円の赤字)になる見通しだと発表した。従来予想(30億円の赤字)から赤字幅が拡大する。外食事業で閉店が決まったり、収益が低下したりしている店舗などについて、減損損失11億円を計上。赤字拡大により期末配当をゼロ(従来予想は前期比横ばいの10円)に変更し、年間でも無配になる。(以下省略)

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⇒つまり、ブラック企業とは、単に従業員を酷使し、残業代を支払わずにコストを軽減するのみならず、従業員の過労死や精神異常による自殺などで団体生命保険の生命保険金の受領により収益を期すると言える。

別な言い方をすれば、ブラック企業とは、従業員の残業を無給で酷使することで、従業員が生きていれば儲かるし、死んでも団体生命保険で儲かる企業である。



(※)今日、一回目の更新記事
「ノンフィクションと称しての捏造」の証言