寺社仏閣の桜を愛でる方へ


いよいよ桜が開花してきましたね。

寺社仏閣の桜を愛でる方は、是非、三好達治の詩をゆっくりと口ずさんで散策して欲しいものです。美しい情景の詩です。

                   


         詩 『甃(いし)のうへ』 三好達治

            あはれ花びらながれ 

            をみなごに花びらながれ 

            をみなご しめやかに語らひあゆみ 

            うららかの跫音(あしおと) 空にながれ 

            をりふしに瞳をあげて 

            翳(かぎ)りなき み寺の春をすぎゆくなり

            み寺の甍(いらか) みどりにうるほひ 

            廂々(ひさしひさし)に 

            風鐸(ふうたく)のすがた しづかなれば 

            ひとりなる 

            わが身の影をあゆまする甃(いし)のうへ


                   

(参考)『おみなご』の意味と語源

《古くは「おみなこ」》女児。また、一般に女性のこと。

日本神話に登場する最初の男女神は、イザナ「キ」ノミコトの『キ』(男)、イザナ「ミ」ノミコトの『ミ』(女)であり、「おきな=翁­」「おみな=嫗」という言葉もあります。

イザナキ、イザナミ以前の神々は性別がなく、­日本の神々で最初に性別を持った神として登場するのが、イザナキ、イザナミです。

『おみなご』とは、「おみな=嫗」(老女)の子ですから、女児や老いていない女性のこと。
尚、この詩でのおみなごとは、若い女性を指します。

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(参考)私のブログ記事
三好達治の詩を口ずさみながらの散策 2007/4/13(金)