雀が消えた!

 
今日は3月11日、あの東日本大震災から満1年。
亡くなられた皆様のご冥福をお祈り申しあげます。
 
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今日の話題は小鳥達の消えたことです。
 
今冬は野鳥がいなくなったとか来なくなったとか聞きますね。
うちの近所から雀が少なくなったのはここ数年前からで今年は全く雀がいないに等しい状態です。無論、ひよどりも。
欧州でも雀が激減してからかれこれ30年経つでしょうか。
 
この雀がいなくなった理由に、農薬で昆虫が減ったからとか、家の建て方が変わって雀が瓦などの間に巣を作れなくなって信号機に作っているとかがもっともらしい言い方ですが、それでは欧州でも家の建て方が変わったのでしょうか。
 
どうやらそれは雀の減った主原因とは違いましたね。
減ったのは雀だけではなく、他の野鳥も激減したのですから。
 
注)野鳥がいないと書いているブログがありました。
今冬は、とても野鳥が少ないとのこと。この記事のコメント欄を見ますと、主に全国の田舎で激減しているようです。 http://gaku-blog.net/post1977.html
  
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参考)福島原発事故前の資料によると、農地を繁殖地とする野鳥(19種)は,全体として1970年代中頃から1990年代中頃に激しく減少し, 2007年には1970年の52%に減少した。
 
下のグラフは、世界での核実験回数です。
 
 
イメージ 1 
森林を繁殖地とする野鳥(38種)は,1980年代後半から1990年代始めに激しく減少したが,最近ではおおむね安定し,2007年には1970年の78%に減少した。
 
水辺や湿地を繁殖地にする野鳥(26種)は,1975年の94%であった。

 
 
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さて本文、
 
福島原発、恐ろしい実態…鳥の脳が小さくなった!生殖能力も低下】
2012.02.04
 
3日付の英紙インディペンデントは、東京電力福島第1原発の事故による環境への影響を調べている日米などの研究チームの調査で、同原発周辺で鳥の数が減少し始めていることが分かったと報じた。調査結果は来週、環境問題の専門誌で発表される。

 研究チームは、1986年に事故が起きたウクライナチェルノブイリ原発と福島第1原発の周辺で、放射性物質放出による生物への影響を比較調査するため、両地域に共通する14種類の鳥について分析。

 福島の方が生息数への影響が大きく寿命が短くなったりオスの生殖能力が低下したりしていることが確認されたほか、脳の小さい個体が発見された。このほか、DNAの変異の割合が上昇昆虫の生存期間が大きく減少(昆虫が激しく減少)するなどの影響も見られた。(共同)
 
(付記)放射線量の最も高い地点は毎時35マイクロシーベルト、最も低い所で毎時0・5マイクロシーベルトだった。
その結果、鳥の個体数は放射線量が高い所ほど少なくなっていることが明らかになった。
調査チームに加わった立教大学の上田恵介教授が語る。

「急性被曝ではなく低線量被曝なので、野鳥への影響はこれからジワーッと出てくると思います。野鳥は自然界の食物連鎖の頂点に位置しています。
 
鳥が自然界のものを使って巣を作り、昆虫など餌を捕食した結果、どのように生物濃縮が行われていくか調べたい。調査はまだ緒に就いたばかりなので、今後どんな影響が出てくるかはわからない。とにかく調査を積み重ねることが大切です」
 
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チェルノブイリ事故ではツバメの白血球の減少脳の容積の縮小も確認され、論文に発表されています」
(尚、25年経った今でもその影響は出ているとのことです)
 
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他のデータによると
 
2003年のシジュウカラの巣の調査によると、巣の4つに1つは、雛が巣立たなかったという結果になりました。対象群の鳥と比較しても多かった。

放射性ストロンチウムは、カリシウムに成りすまして、卵殻に集中したから
(注)他の文献によると、「卵の殻がまともに出来ない」と表現していました。

つばめからも変異体が確認されています。
顔の一部が白くなったり、あごに赤くなっていなかったりしていたからです。

羽毛を赤くする有機色素のカロチロイドの代謝放射能の影響を受けたと考えられます。
チェルノブイリの森』(NHK出版)2007年メアリー・マイシオ著 中尾ゆかり訳
 
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【野鳥の生産性機能に見るフクシマ事故の影響】 - Eisbergの日記
 
5月6日にチェルノブイリ放射性物質を含んだ雲がカリフォルニア上空を覆った時、雨が降り、カリフォルニアの生態系は放射性ヨウ素に汚染された。
 
1986年5月から8月までの四ヶ月間、全ての種でヒナの数が62~63%減少したチェルノブイリの雲が来たときにちょうど巣の中にいたヒナは放射性ヨウ素を含む餌を食べて、おそらく全滅したと思われる
 
多くの鳥類では、卵がふ化し、巣立つまでの日数は約9日。この速い成長は甲状腺の働きによるものである。放射性ヨウ素を取り込んだことで生育が阻まれた。
 
さらに、全国の様々な地域における個体数の1985年と1986年の違い、1986年と1987年の違いを比較したところ、個体の減少率とそれぞれの地域の牛乳に含まれていたヨウ素の量との間に明らかな相関性が見られた
 
こうした結果を得て、私はその後、全米500カ所に野鳥測定所を設け、マップを作り、以後同じような事故が起こったときに放射能と鳥の生産性との間の関連性が明らかになるようにした。
 
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他の文献では、
 
チェルノブイリでは、40世代を重ねたネズミは遺伝子の崩壊を修復する能力が極めて高いが、鳥は2世代続かない
 
 
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他方、雀などの野鳥の餌も深刻な事態になっていることが報道されていました。
 
東京電力福島第一原発から約20キロ離れた福島県川内村に生息するミミズから、1キロあたり約2万ベクレルの放射性セシウムが検出された
大村町では約1000ベクレル、只見町では約290ベクレルだった。土壌1m2あたりでは、川内村で約138万ベクレル、大玉村で約8万~12万ベクレル、只見町で約2万ベクレルだった。
森林総合研究所の長谷川元洋主任研究員(土壌動物学)らの調査で分かった。(昨年8・9月に採取)「毎日」2月6日付
 
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これほどまでに影響がある放射能を全国津々浦々にばら撒こうとする瓦礫焼却。
 
虫達や小鳥達が消えた世界はどうなると思いますか?
食糧は?
そして、今の子供達やこれから生まれてくる子供達は?