避難者受け入れ温泉宿の困惑

 
災害救助法で、避難者を受け入れた町が県経由でその経費を請求できることを始めて知りました。
 
受け入れた施設は、何れその費用分が入るから何等問題が無いように見えますが、受け入れた側にも心の傷は残りましたね。
 
以下、受け入れた施設の話です。
避難者のほんの一部の不心得者の仕業とは思いますが、情けない話です。
 
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この8月下旬、私はある地方の町の第三セクターが経営する温泉ホテルに宿泊。
その時に、宿の人から聞いた話です。
 
この宿では、町の要請で被災地の家族を何世帯か引き受けました。
これら避難者の方々は、仕事が欲しいと言うので町は仕事を作りました。
 
処が、その方達は 「その仕事は嫌だ!手が汚れるから」 と言って無視。
朝から終日浴衣のまま館内をブラブラ。
着替えたとおもったら街に出かけパチンコをするのだそうです。
 
この町は市町村合併で市と名乗っていますが、実態は小さな農村。
イカラな仕事を急に提供できるはずはありません。
 
更に、支配人に対して激しい抗議。カウンターを拳で叩きながら。
「同じ食事のメニューをいつまで食べさせるのだ!」 と。
 
温泉宿ですから、メニューは三日単位でローテーションを組んでいます。
家庭の夕食のような、毎日全く違ったおかずを出す必要はないのです。
 
仕方なく、その宿では、避難者の家族だけ別途夕食の仕度をしたそうです。
 
 
宿の従業員の方の小さな声。
 
「ここに避難された皆様は私達の町の税金で毎日食べさせてもらっているのに、ありがとうの言葉ひとつも無い。この実態を公にしたら、被災者が全ての風潮ですから宿への抗議が殺到するでしょうね」
                           
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参考)
「被災3県に支援経費を請求 22都県が44億円」
朝日新聞 2011年10月8日19時37分
東日本大震災で福島、宮城、岩手の3県を支援した自治体が、その経費を3県に請求する手続きを進めている。朝日新聞社の調べでは、これまでに22都県が約44億円を請求し、今後も増える見込みだ。災害救助法に基づく手続きで、最終的には国が費用の大半を負担する見通しだが、被災県に請求することに疑問の声も出ている。