京都先斗町での別れの演出

 
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     私の履歴書・386
 
1991年2月6日、千歳空港を飛び立ち伊丹空港へ。
 
午後6時半、本社着任挨拶。
その夜は吉田本部長と祇園で先ず一杯。
 
翌日から会議の連続。
毎月出席する会議は、本社で10箇所。エリア会議(支店)では2箇所でした。
 
①支店長会議、②BB促進部会議、③BB課長会議、④本社課長会、⑤社内工販(工場&販売)会議、⑥工場技術者責任者会議、⑦大手製造依頼会社との工販会議、⑧新商品開発会議、⑨設計部会議、⑩全メンテナンス子会社役員会。
それに、毎月各支店で開催されるエリア会議の何れかの二箇所に出席。
更に、四ヶ月毎、本社での開催が全グループ会議(二日間)と全国女性パート営業員会議。
 
このようにあちこちの会議に出席する目的は、私が会社全体を把握することと、私の上司の吉田本部長が出席できない会議に私が出席し、議事録を作成し、提出することでもありました。
 
皆に言われましたね。「水無瀬課長には、数字の責任は無い。羨ましい役職」と。
それに、会議の席上、意見を求められたら好きなことを言える訳ですから。
 
それと、こちらに振られてきた仕事が、広報担当としてのマスコミ対応、展示会計画&企画(東京BIGサイト開催分)、各地商業組合接待などでしたね。
 
さて、各地商業組合接待とは
 
各地商業組合やその組織の婦人部では、何年かに一度、旅行を企画します。
行き先が京都でメンバー数が30人未満の場合、㈱ウズマサに声がかかるのです。
 
但し、現地の社員はその団体さんを地元の駅で見送るだけ。
随行して京都にくる事はないのです。
 
こちらに電話で「あとは頼んだよ!」との一声。
「お任せ下さい」と引き受ける。
 
こちらでは京都駅にて会社の通勤用マイクロバスでお出迎えします。それから本社で休憩してもらってから会社の宿舎へ。
 
この宿舎は、元料理屋の木造二階建てを会社が買い取ったもの。
畳部屋が九室あります。注)日頃はこの屋敷を管理している小母さん一人が住んでいます。
 
夕食の宴会の場所は、会社の関係している居酒屋の小上がりで。
翌日の朝食は、近所に住む会社の管理職の奥方達が早朝出勤。
朝食作りは彼女等のボランテアですね。
 
九時半頃に私とBB営業部の女子社員との二人でマイクロバスに乗り、宿に迎えに行きます。そこで皆をマイクロバスに乗せてからが京都観光の始まりです。
 
最初に乗車した2月16日(土)、いきなり女子社員からマイクを渡されました。バスガイドをお願いされたのです。
 
それまでの団体さんでは、女子社員がバスガイド役だったのです。
何の準備もしていないから一瞬戸惑いました。
 
観光バスのバスガイド風の観光地案内では盛り上がらない。
朝から半分眠っている。これじゃ遺憾!
 
そこで、京都での体験談を交えて話しました。ぶっつけ本番で。
京都に10年ちょっとの間、住んでいましたから役に立ちましたね。
 
一般的に知られていない実話ですから皆さんの目の光が違いましたし、お笑いも交えましたから、楽しい移動時間を演出することが出来ました。我ながら上出来!
 
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午前中に嵐山嵯峨野方面の観光地を巡った場合、お昼の予約を入れたのが嵐山の「嵯峨野湯豆腐」の場合が多かったですね。
 
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この嵯峨野湯豆腐へは、このポジション在任中、何度行ったことやら。
 
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流石京都の湯豆腐。何度食べても美味しい。
尚、団体さんは、店の奥の庭に建つ木造二階建ての二階に案内されます。
 
午前中の観光が東山界隈の場合、予約を入れた昼食は、八坂神社南桜門から南側にある畑中などの料理屋さんのお座敷で召し上がる京弁当でした。
 
夕方近くになりますと、団体さんが二泊目として予約したホテル・旅館で降ろし、私達は一旦ここで別かれ、マイクロバスで会社に帰ります。
 
そして、午後6時頃、吉田本部長と淀川課長と私の三人が近所の居酒屋で夕食を摂ってからタクシーで祇園花見小路に行きます。
 
そこで、宴会が終った団体さんと合流し、予約していた二次会三次会場へと20人~30人で大和大路から祇園乙部を千鳥足。その千鳥足の半数以上が女性。
 
注)祇園乙部とは、 東大路と花見小路の間で四条通北側の通り三本(東富永町・中末吉町・新橋)にまたがる地域
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午後11時、プログラムの最後は先斗町鴨川沿いの二階のスナック「赤坂」へ。
 注)当時のママは、伴田寿美子さん
 
ここのカウンターにいるお客さんは、皆、怖そうな、柄が悪そうな。
 
何しろ、ここは京都府本部が最大のお客さんですから。
 
ここの特徴は、春夏秋冬、川床が楽しめます。
川床と言うよりも、ちょっと大きめな物干し用ベランダですね。
 
真冬に鴨川の川風に震えながら、熱燗とっくりでの一杯が堪りません。
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そして、我等のこのプログラムのラストシーンは、店内消灯。
鴨川に映るネオンの光のみ。
 
その店内フロアで20人~30人全員が一つの輪になり肩を組むのです。そして、全員で唄うのです。暗闇の中で。

歌は「星影のワルツ」。
「別れることは辛いけど、仕方がないんだ君のため、別れに星影のワルツを歌おう♪~~」
 
みんな、一生懸命、大きな声で唄うのですよ。
涙をいっぱい浮かべながら。

これが、私達が演出した京都の夜でしたね。
 
注)今は先斗町にこの「赤坂」はありません。