札幌での子育て

 
 
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    私の履歴書・345
 
 
 
押入れの奥からようやく子供達を撮ったアルバムの入ったダンボールを取り出しましたので話を1887年札幌着任当時に戻します。
 
 
我等の住居は、菊水旭山公園通り 南9西22の交差点西友の西隣のマンション。
広さは、南側の洗濯物干し用のサンルームも加えて確か98㎡の3LDK。
二戸イチEVホールにある戸別石油ボイラーからの配管で全部屋床暖房。
 
ここは例え大雪でも1m先が見えたら壁伝いに隣の西友ストアに行ける。
当時、我家の冷蔵庫は小さいから、隣に大きな冷蔵庫があるようなもの。
 
道路の向い側が啓明中学の校庭。その向こうが緑丘小。その向こうが藻岩山。
吹き飛ばされない限り、子供達は無事に学校に通える。
 
このマンションに住んで早々の2月。
夜中にガリガリと音が響き渡るのです。
 
最初は何でこんな音が夜中にするか分かりせんでした。
管理人さんに聞きましたら、夜中に道路の氷をかいているのだそうです。
 
当初は目を覚ましましたが間も無く慣れました。
 
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参考1)
 
竹の雪かきですね。
 
 
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さてさて、子供達が札幌の街に慣れる為に真っ先に妻が連れて行ったのが囲碁教室。
 
注1)娘が幼稚園の時はJR高槻駅前の「楫野(かじの)囲碁教室」
 
1985年~は広島市竹屋町の碁会所。
 
この事は以前私の履歴書No.222で書いていますね。
 
注2)上の写真は「道新文化センター囲碁教室での息子。
注3)右下の写真も同じく娘。
注4)道新とは、北海道新聞社の略称。
 
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「道新文化センター囲碁教室」へ。
 (成田先生 大通り西三丁目)
 
札幌に行った早々、子供達に妻の言った言葉。
囲碁教室に行くと友達が沢山出来るよ」
 
しかし、子供達の言葉。
「友達なんて 。おじちゃんばっかりじゃないか!」
 
当時は、このセンターに子供囲碁教室が無いから、日中暇なお方と高齢者ばかり。
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 付き添いの妻は、当初、子供達の終るのを待っていましたが実に退屈。
 
 
そのうち妻もその教室に入りました。
 
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イメージ 8親子三人で囲碁教室通いです。
 
息子は三級。娘は四級だったと思います。
何故か妻は二級。
 
残念ながら子供二人とも、囲碁の才能が無かったですね。
 
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他方、札幌に転居して来た時が子供への新たな教育のチャンスでもありました。
 
 
子供達に何の行事も無い日曜の昼は「論語」を教えました。
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読んで、読まして、意味を説明し、説明させる。
 
次回の日曜日は先ずは前回の復習からですね。
それから次の新たなページへ。この繰り返し。
 
小学校二年の息子が、学校で早速応用。
父兄懇談会で妻が先生に言われたこと。
それを私が聞いて大笑いしました。
 
息子が児童を褒ちぎる先生に言った言葉とは。
 
●子(し)曰(のたま)はく 「巧言令色(こうげんれいしょく)、鮮(すくな)いかな仁(じん)」
解釈)うまいこと言い、人の気に入るように愛嬌がいい人間には、仁徳が少ない。
 
実は、私の高校時代、国語(漢文)で習ったのは論語の中のほんの一部のみ。
改めて読んでみますと、子供達よりも教える私自身の為になりました。
 
●子曰はく 「之(これ)を知る者は之を好む者に如(し)かず。之を好む者は之を楽しむ者に如かず」
 
解釈)物事を知らない人より「知る」人が上。物事を「好む」は「知る」よりも上。「好む」よりも「楽しむ」が上。
 
分かり易く言えば、「知人」は顔見知りの程度。
「好きな人」とは興味・関心の段階でその人とは未だ距離がある。
「楽しい人」とは、自分と心が一つの境地になる人。
 
「どうしてあなたは彼と結婚したのですか?」
「彼と一緒にいると楽しいから」
 
この「人」の文字を「仕事」に置き換え、「楽しむ仕事」と如何にするかが目標でした。
 
 
もう一つ、 「悉(ことごと)く訊(き)。(省略)これ礼なり」 と覚えていた件(くだり)がありました。
 
今、この記事を書くのに論語の何処を見てもこの文は無い。
探すのに多大な時間を浪費したのです。
 
間違って覚えていました。
見つからないはず。
 
正しい文は 「事ごとに問う。(省略)これ礼なり」  注5)本文は下段の参考2)
 
当時、草野君が私にぼやきました。
「M係長はばっかじゃなかろうか。私にこんな常識的なことを聞いてくるのですよ」
 
「草野君、孔子は 『悉(ことごと)く訊(き)く。これ礼なり』 と言っていますよ。
常識や風習は地方によって異なるから、先ず最初に確かめなければならない。
すき焼きの肉といえば、関東では豚肉だが、関西では牛肉だからね」
 
「ヘェ~、そうなんですか」
「但し、同じ事を二度聞いてきたら、君の言うとおりその男は馬鹿だね」
「それが先週も聞いてきて、今週も同じことを聞いてきたのですから」
 
こんな調子で論語に学びましたね。
 
参考2)
●(八佾第三の十五)
子、大廟に入りて、事ごとに問う。或るひと曰わく、孰(たれ)か陬(すう)人の子(こ)を礼を知ると謂うや、大廟に入りて、事ごとに問う。子これを聞きて曰わく、(これ)礼なり
 
子入大廟毎事問或曰孰謂鄹人之子知禮乎入大廟毎事問子聞之曰是禮也