明日になっても直らないもの

 
 
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1987年6月のこと。札幌に着任した年ですね。
本社BB営業本部から召集令状が来ました。
 
毎年この月に本社で行っているBB営業部の全国会議ですね。
 
 
そもそも我社の全国都道府県127拠点は、BB営業部が敷いたもの。
私は、この部署に所属した事が無いですから、初めての参加。
 
最初は、何故か知能テスト。
不思議でしたね。
 
年齢が増すほど、スラスラ解ける。
脳細胞が疲労と劣化と二日酔いしているのに。
 
いかに、若いとき程『下手な考え、休むに似たり』だったのか!
 
 
そしていよいよ本番の会議。
出席者は、BB営業部所属主任以上の176名。
 
BB営業本部の連中が講堂の側壁に模造紙を貼っていく。
それは、赤のマジックで書かれている都道府県別グラフ。
 
私の管轄する北海道の棒が一番短い。
シェア(占有率)グラフだ。
 
日本△工業会の毎年5月の会合では、各メーカーが前年の都道府県別新台出荷台数を報告することになっている。その統計数字が掲載されているグラフ。
 
壇上でBB営業部総元締の吉田本部長のドデカイ罵声が響く。
 「北海道(我が札幌営業所)の13%、石川県(金沢営業所)の17%とは何事か!」
 
会場の全員が、私を見ました。
 
寝耳に水でした。
驚きました。
 
太秦社長から賜った私の使命は「メンテナンスで北海道を建て直す」こと。
販売での建て直しは困難だから。
 
着任5ヵ月半。それを知っての吊るし上げ。
それに金沢と言うと、金沢の所長だった岡田君がこの春から私の部下。
 
やりおったな! 吉田本部長さん!
然らば、本腰を入れて販売をやりまひょか!
 
 
札幌に帰ってから、皆に言明。
「これから、徹底的に販売で行く!」
 
余談ですが、同じ6月、S電機が女子社員1名の募集をかけたところ、270人の応募があったとのこと。北海道でのバブルは未だ始まっていなかったですね。
 
 
さて、札幌の大市場をどう対応するか。
ここは私の未着手のエリア。
 
この時の札幌エリアでの営業社員は、この春に中途採用した魚住社員と草野社員の僅か二名。
 
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(右から二軒目がグリーンビルNo.2 )
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手始めに、接待でも相手が気を使わないレベルのスナックを開発すること。
彼等の案内ですすきの交差点から東に二軒目・グリーンビルの中のスナックへ。
 
 この店の特筆は、午後9時以降に二人の素敵な女性がカウンターに入ること。
 
一人は、三井物産北海道支社長の秘書。
もう一人は、そのライバルの三菱商事北海道支社総務部門の女性社員。
注)女性秘書と総務女性の会社は、逆だったかもしれません。
 
草野社員が確認の為に、日中、両方の企業を訪問し面談。
間違いなく、両名ともに夫々の会社の秘書であり、総務の女性でした。
 
と言っても、ライバル同士の社員がこの関係ですから、社内機密などはライバル会社に筒抜けだったかも。
 

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然し、すすきのと言えばグリーンビル(北海道振興㈱)
 
 
それに、グリーンビル1号と2号の建物の間には、曲りくねった通路。
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私、夜のすすきのでの梯子(はしご)酒の場合、歩けない。
 
迷路のようで分からなかったですね。
但し、道内の地方都市の繁華街でしたら、大変詳しいのですが。
  
このスナックで魚住社員の歌うは東京ロマンチカの『小樽の人よ』。
これを何度も目の前で聞かされたら、否が応でも覚えてしまいましたね。
 
 
他方、
 
この二人を、度々自宅に呼びました。
 
その時は、常に鍋。
何せ我が家は貧乏。
 
隣の西友では、しゃけ(鮭)のアラ数匹分で10円。時には20円。
これをコブダシの鍋に入れて、バターを隠し味に。
 
これに安物の牛肉でシャブシャブし、ポンズで召し上がり。
その後は野菜をどっかりと。これが結構美味いのです。
 
鴨鍋の季節でも、ベースはシャケで肉は鴨に牛肉。
この鍋の時、殊更美味しいのがビールと熱燗の交互飲み。
都度、口直しになるからでしょうね。
 
但し、私、酔って直ぐにゴロンがいつものパターン。
私が眠ってからが、彼等の本領発揮のお話。
 
魚住社員に関しては、色々お腹を抱える話が沢山ありましたね。
妻が、今でも思い出したら大笑いする話の中の一つ。
 
以下は、私の眠っている時、草野君が妻に話したそうです。
 
     ☆      ☆      ☆
 
魚住君と草野君は我家で飲んだ後に二人で地下鉄に乗りました。
魚住君は、酔って両手で吊り革を握り、左右に身体がぶれていました。
 
その前に座っている若き女性のペアーがささやきました。
女性「いやねぇ~、酔っ払いは!」
 
酔ったら聴覚神経が鋭敏になりますから彼の耳に聞こえます。
 
彼 「なんだよぉ~」
女性「酔っぱらいは嫌です」とパチンと言われた魚住君はカチン!
 
彼「何だとォ~? 俺なんか明日にはちゃんと治るんだい。
おまえの顔なんか、一生直らないじゃないか!」
 
       たけしや伸助に聞かせたい話ですね。
 
 
然し、ものの言い方って怖いですね。
最初に「素敵なおじさま、~」から始めたら、素直になったでしょうに。
 
草野君は、直ぐに隣の車両に彼を引っ張って移動したそうです。