冬の北海道一周ドライブ 札幌→旭川→北見

 
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前回のあらすじ)
 
山川課長の運転する車に乗る。
アイスバーンを140kmで疾走
雪が溶けたら、220km。飛ぶように走る。
 
昔の新幹線より速かった。
ここで怖がったら、先人の跡を辿ることになる。
笑顔! 笑顔!
 
 
 
           私の履歴書252
 
1987年1月28 日(水)札幌発
 
15日の松の内は過ぎたものの、せめて道内の主要な所には行かなきゃ。
惨敗している市場に対して、着任兼新年の挨拶で、せめて誠意を示さなきゃ。
 
他方、他社に奪われた市場をこの目で見、生の声を聞くこと。
それに、支所の社員の本音を聞くこと。
 
JRの時刻表で検討するも、札幌と地方都市間の移動は良いのだが、地方都市から地方都市の移動がうまくいかない。
 
然らば、例のトヨタ後輪駆動1800ccバンで。
然も、死神部長を横に乗せて北海道一周冬の旅へ。
 
 
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札幌・北広島から岩見沢までは高速道路。以降、国道。
滝川商業組合→G社の牙城の深川商業組合→西に進んで留萌商業組合。
 
ここ留萌(るもい)とは、
 
 
も一つ有名なのが留萌の地吹雪
遭遇したのは、三回目の冬のこと。
 
留萌の街中で突然地吹雪。
雪の中に車が埋没したようなもの。
 
ボンネットが見えるとか見えないとかの問題ではない。
必至で左右に動く黒いワーパーしか見えなかったですね。
 
この留萌は我社製品牙城の地。
留萌組合事務所で歓待を受けた後、東に引き返して旭川商業組合へ顔出し。
 
流石、旭川
雪は天空からコンコンと降る。
 
大きな雪は函館と同じなのだが、函館は天上から真っ直ぐ落ちてくる。
旭川は、左右上下舞いながら落ちてくる。
 
次は、LL社旭川営業所へ。
 
旧子会社の役員連中は、数年間挨拶に来ていないと言う。
夜の会席の約束をしてから、我が旭川出張所へ。
 
木造平屋で、数十年間、手入れしたことのないような事務所。
ここで塚本所長(仮称 36歳)から市場状況聴聞
 
塚本所長の部下に斎木社員(仮称 24歳)と須貝アルバイト員(29歳)。
それに沙織パート事務員(仮称 35歳)の計四名の所帯。
 
 
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その夜は、LL社旭川の平川所長連中と、さんろく(三六)街居酒屋の座敷へ。
 
一次会で四時間も。
 
流石厳寒地。皆さん、酒が強い。
 
時間も時間で解散。
 
 
 
 
さて、LL社の連中を送り出した後の我等四人の行き先は?
白い世界にネオンが殊更美しいさんろく街。
 
塚本所長 「何処がいいですか?」
私 「気の使わない所を頼むよ」
 
塚本所長 「それじゃ、若い娘のいる所で、チークを踊れるところは?」
私 「Oh! Yes! Yes! 」
 
スナックで、じっくり彼等の話を聞こうと思っていたのだが。
そう言われると、優先順位は違ってくる。
 
連れていかれたのが「クラブ・ステラ」(今は無い)
お相手をしてくれるのは、二十歳前後のお嬢さん達。
 
淡い色のワンピース。細身。
しなやかな髪・薄い化粧。
 
ここもセンスが良かったですね。
広島の流川とは比べようが無い。
 
このクラブの特徴は、一時間に一度の割合で、チークタイムがあること。
確か、時間制でしたね。
 
もう一度お嬢さん達とチークを踊りたかったら、1時間の延長となる訳。
以後、旭川出張の都度、夜はここに来ましたね。満席の時を除いて。
 
尚、旭川で社交ダンスが家庭の主婦等の小母さま族に流行ったのが1979年頃ですね。昼夜を問わず、フローリングのダンス場は、小母様方でいっぱいでした。
 
 
翌朝、旭川商業組合事務所再訪問。
てぐすねひいて待っている組合会長&副会長と面談。
 
テーブルの上には、昔、当組合と我社の子会社とが取り交わした覚書。
 
その覚書とは。
『当エリア内で販売した機器一台に付き5千円を斡旋手数料として組合に払う』
 
にも拘らず、我社の子会社は、五年間も払っていないという。
しっかりと払ってきたのがライバルのG社。
 
前年の組合総会時に配布された決算書の収入欄に、G社からの販売手数料額が明記されている。
 
その額面を5千円で割ったら、成る程、ここでのG社の年間販売台数となる。
それでか!北部一帯(旭川・深川・名寄・稚内)はG社の牙城となってしまったのは。
 
留萌の場合は、現在の所長が、顧客から領収した修理代を記帳せずにプール。
その金で留萌組合に支払っていたから、シェア(占有率)を維持出来た訳だ。
 
組合を出て、旭川市内を抜けて国道39号線で北見に向かう。
層雲峡(そううんきょう)を越えると石北峠(せきほくとうげ)。
 
雪はチラチラ。
難なく峠越え。
 
国道沿いの我が北見出張所へ入る。
 
ここの所長は、駒田君。(仮称 37歳)
彼の開口一番 「ここ北見の寒さは半端じゃない! 鼻水が凍る!」
 
函館や旭川と違って、道東では雪はそんなに降らない。
晴天が続く。だが、マイナス気温は25℃まで落ちる。
 
路肩は、雪と言うよりも石炭の塊。
融けないから、スパイクタイヤで削ったアスファルトの粉塵で真っ黒。
 
但し、夏は35℃前後。
こういう日の町の人は、へたばってじっと寝ているそうな。
 
アルバイトの小沢君(仮称 21歳)が、陸別出身。
陸別(北見より南30km)は、マイナス30℃は度々と言う。
 
入り口のドアのノブを素手で掴んだら、ベロリと手の皮がむけるそうな。
彼等の北極のような気候の愚痴を聴いてから北見市場状況聴聞
 
南東部は我社製品。
北西部はM社製品。
 
組合に払うべき@5千円のバックマージンを、ここでも五年間払っていない。
 
だが、組合の色々な催し事に積極的に肉体労働を提供して、現在のシュアーを維持出来ているとの事。
 
ここでの夜も、LL社北見営業所の所長以下九名の連中と座敷で宴会。
北見には、ネオンチカチカのそれらしき繁華街は無く、一次会でお流れ解散。
 
その夜は早めに床に着くことが出来、熟睡。
翌朝、目覚めも悪くはなかったのですが。
 
独身の可愛子ちゃん(伊藤さん)が勤務している北見商業組合を訪問してから、いざ、釧路・根室に向かって出発。
 
無論、死神部長さんが助手席に。