夫の背中を押し続けた奥さん
「確かに篠原主任の仕事は、据付作業や店舗の改装でしょう。
でも、仮にもあなたは人の上に立つ主任という立場。
でも、仮にもあなたは人の上に立つ主任という立場。
暫し沈黙後、
「受験するかどうかの返事は今直ぐでなくてもいいでしょう?」
「じゃ、二晩考えてから返事を下さい」
「じゃ、二晩考えてから返事を下さい」
翌々朝、篠原主任は顔を紅潮させながら小声で言いました。
「学科試験だけですが、受験させてもらいます」
「学科試験だけですが、受験させてもらいます」
二晩、奥さんと深夜まで話し合った結果だそうです。
結構難しい試験なのです。学科試験合格率は当時確か40%台でしたね。
結構難しい試験なのです。学科試験合格率は当時確か40%台でしたね。
或る日のこと、篠原主任の助手席に乗車し納品に出かけようとした時、彼、免許証を自宅に忘れたと言います。
近くの彼の自宅にトラックで横付け。
彼が自分の部屋に入り免許証を探している間に、奥さんが玄関に出てきました。
彼が自分の部屋に入り免許証を探している間に、奥さんが玄関に出てきました。
「主人の事でご迷惑をお掛けしていています。
主人、毎日深夜まで勉強をしています。
主人、毎日深夜まで勉強をしています。
それが、小学生の子供の辞書を片手に。
漢字を知らないものですから」
漢字を知らないものですから」
その言葉を聞いて涙が出そうになりましたね。
1年弱後、学科試験が行われました。
努力の甲斐あって、学科試験、見事合格でした。
努力の甲斐あって、学科試験、見事合格でした。
更に更に、それから十年ちょっと後、彼の一人息子さんは、現役で国立大阪大学理学部に合格したというではありませんか。
素晴らしいですね。親の背中は!
それにしても、あの受験可否を決める二晩の深夜、奥さんは夫にどんな話をされたのでしょうか。
素敵ですね。そしてその後、夫の背中を押し支え続けた奥さんは!
素敵ですね。そしてその後、夫の背中を押し支え続けた奥さんは!