迷わずリスクに挑戦! 道は開けるか?

ダッチロールの鳩ポッポ。 従来は、霞ヶ関の言いなりですから迷うことは皆無。
昨今のあれやこれやの事態は当然。それにしても、全ての民を満足させるなんて不可能。
それにしてもお人好しではリーダーは務まらない。冷酷さを持ち合わせていなきゃ。余談でした。

 
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前回のあらすじ
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私は、新設した子会社の常務取締役。社員は10名未満。
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新しく仕事を獲得するには、特殊仕様のトラックを一月末日まで用意しなければなりません。でも、親会社はトラック購入を許可してくれず。
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このトラックの購入許可が親会社から出たのは、一月末の期限が切れてからの2月下旬でした。今更何故? 


私の履歴書・214

1986年2月末

迷うことはありませんでした。
日産ジーゼルの多田君を呼んで、ユニック車を発注。

トラックは10日もすれば納品出来ると言う。何故そんなに早いの?
実は、多田君は、私からの発注書無しに、1月末日に間に合うようにトラックを作っていたのでした。

万が一を考えたら、怖いことです。リスクを冒したのです。
こういう男もいたのです。

3月初め グループ会社管理室 池内室長にトラックの納期を報告。
「トラックを買ったって? まさか?」

やはりそうでした。
彼等は、私が諦めると思っていたのですね。

然し、よくぞ私を試してくれたもの。
もしも、今回、このトラックを買わなかったら、今後、私の全ては軽視される。となると、仕事にならない。

他方、買って宝の持ち腐れになった場合、赤字決算となる。それ見たことか!と攻撃が待ち受ける。

今後、私の意見を通す為には、トラックを購入し、このトラックを駆使して軌道に乗せるしか道は無い。
軌道に乗せる事が出来たなら、次から私の要望はフリーパスになるはず。


この事業の成功の為には、何が何でも、新たな仕事を取らなければならない。
トラックは直ぐに納入される。遊ばせておく訳にはいかない。急がなきゃ。


3月上旬 4t トラック「コンドル」(車の名前)の新車が納品されました。
「バカデカぁ~~い!」  何しろ、全長11m、全幅2m40cmですから。
注)一般的に乗用車のコンパクトカーと称す5ナンバーサイズは、全長4m前後、全幅1m70cm前後。

皆さん、唖然と見上げるのみ。運転をしようとするものは、当然誰もいません。

藤川社員の弁明。 「こういう高価な車を、我等一般社員が運転するわけには行きません。
やはり、水瀬常務が運転して、新車の香りを楽しんで下さい」

笑いましたね。 「そのうち君達も運転したくなるからね。時間の問題」
尻込みしながら  「いやいや、結構です。事故を起しますから」 と言う者もいました。

確かにそうです。 荷台が長過ぎますから、針路変更の時には尻尾を大きく振ります。
お尻で隣の車や道路側面の塀を引っ掛けてしまうリスク。

私は、その新車に飛び乗りました。
運転席でハンドルを持つ私は、直ぐに20年前21歳の感覚に戻りました。

懐かしい運転席からの光景。乗用車等を見下ろしますから。
直ぐにスタート。日産の多田君を助手席に乗せて街中へ。

実は、こういう大きなトラックで走行した場合、皆さんが避けてくれますから運転は楽なのです。
姫トラが走っているようなものですから。

途中、大手町のS電機㈱広島営業所に寄り、新車を披露。
「これなら、何でも頼める!」  口先だけか、実感として言っているのか?


翌日からの私は作業着で出勤。
何せ、ユニック車を運転できるのは私しかいませんから。

助手席に村主社員を乗せて従来の100kg前後の機器を搭載し納品業務。
肉体を駆使する仕事は、妙な充実感に満たされますね。