人は、このような契機で大きく変わるのでした
中国メンテナンス太秦㈱の事業コンセプトは、
『食料品小売業の顧客満足から喜びへ』
.
「メンテナンスを入り口に、顧客(小売業)のハード的問題を我社が全て解決する。次段階として新たな小売業態の提案」 というものでした。
.
.
その序として、店舗の冷凍・冷蔵設備のメンテナンスは無論の事、バックヤード・レジ・家電製品・電気・ガス・水道・電球の交換までのメンテナンスですね。
さて、事業規模の拡大を図りながら5年後には社員200名規模にしなければなりません。
その為には、40名のリーダーを創らなければならない。
その為には、40名のリーダーを創らなければならない。
その第一陣となるべし彼等5名の現状とは。
篠原主任 43歳 中卒 太秦電機㈱社歴8年 元大工 出身 島根県
田辺社員 30歳 普通高校卒 太秦電機社歴8年 出身 広島市旧市内
新入社員・村主社員 24歳 定時制高校卒 出身 広島市可部
新入社員・沢木社員 23歳 普通高校卒 出身 広島市西区
新入社員・松川社員 21歳 工業高校卒 出身 広島県庄原市
田辺社員 30歳 普通高校卒 太秦電機社歴8年 出身 広島市旧市内
新入社員・村主社員 24歳 定時制高校卒 出身 広島市可部
新入社員・沢木社員 23歳 普通高校卒 出身 広島市西区
新入社員・松川社員 21歳 工業高校卒 出身 広島県庄原市
つまり、この五名は、近い将来、新人を教育指導する立場になった時、
私が教育指導した内容を真似て新人を教育することを意味する。
私が教育指導した内容を真似て新人を教育することを意味する。
『教育指導』とは、代々伝わって行く可能性を持つものなのですね。
それでは、将来のリーダー育成の為に、今、することは何か。
メンテナンス会社でのリーダーとは、技術に長けている事は当然条件。
メンテナンス会社でのリーダーとは、技術に長けている事は当然条件。
今後、入社してくる新入社員は、恐らく彼等より知的レベルは上位のはず。
と言っても、学問的分野での育成には時間がかかる。
と言っても、学問的分野での育成には時間がかかる。
では、限られた時間で私は何をするか? 何が良いのか?
彼等自らが、自らを育成しようとする原動力とは何か?
彼等自らが、自らを育成しようとする原動力とは何か?
暗中模索でもんもんとしましたね。
子供達の遊んでいる姿を観て、ふと灯りが点りました。
自分は、今の自分に出来ることしか出来ない。
自分は、今の自分に出来ることしか出来ない。
では自分で出来ることとは何か?
反して彼等は中卒&高卒。
新人高卒4名は、全員、高校時代、停学と追試をくらった経験の持ち主。
新人高卒4名は、全員、高校時代、停学と追試をくらった経験の持ち主。
どうして彼等に自信を持たすか?
自ら成長しようとする意欲をどう惹起するか?
自ら成長しようとする意欲をどう惹起するか?
選択したのは実存主義の「キルケゴール」でした。
恐る恐る彼等に言い渡しました。
「毎週月曜日、朝7時半出勤せよ。8時15分までの45分間、講義をする。
私の都合で月曜日が駄目な場合は、木曜日に」 更に「時間外になるが、手当ては一切つかない」
「毎週月曜日、朝7時半出勤せよ。8時15分までの45分間、講義をする。
私の都合で月曜日が駄目な場合は、木曜日に」 更に「時間外になるが、手当ては一切つかない」
初回の朝、さて、全員が7時半に出勤してくれるかどうか不安でした。
うれしい事に、全員、時間通り、二階のミニ会議室に集まってくれました。
うれしい事に、全員、時間通り、二階のミニ会議室に集まってくれました。
★
「絶望して死ぬ事は、未だ絶望の段階では無い。なんとなれば、死を選択する心の余裕があったからこそ死ぬ事が出来た。絶望の極地とは、死ぬに死ねない状態である。絶望とは、死を死する」
★
★
もしも、彼等がコンプレックスを持っていたとしたならば、そのようなものは単に自己を慰める感傷。
絶望とは異質。
絶望とは異質。
絶望の極限を知る事により、逆に、何らかの希望の幻影が見えてくるのを感じてくれたら成功ですね。
生ビールを飲みながら彼等がお互いに指差しあいながら発する言葉。笑いました。
「君と言う人間は、誤謬(ごびゅう)の中に生きている」 注)誤謬(ごびゅう) 誤り 間違いの意味
「そういう、あんたこそ誤謬の中にいきている。だから彼女に逃げられたのだよ」
「君と言う人間は、誤謬(ごびゅう)の中に生きている」 注)誤謬(ごびゅう) 誤り 間違いの意味
「そういう、あんたこそ誤謬の中にいきている。だから彼女に逃げられたのだよ」
次は、同じくキルケゴールの「現代批判」でした。
★
要旨を原文の中から抜き出すと、
「現代は本質的に分別の時代、反省の時代、情熱のない時代で、たまに感激に燃え立つことがあっても、如才なく、すぐにもとの無感動におさまってしまう」
「革命の時代は情熱的であった。しかし現代は情熱のない反省的な時代である。直接的な情熱はしばしば間違いも犯す。しかし情熱がなくて反省的なところからは何ものをも生まれてこない。そのこと自体が悪である」
「分別がありすぎ、利口すぎて、結局はいかなる行為も責任を持って実行することにはならない。
すべての人が賢明な傍観者であろうとする」
すべての人が賢明な傍観者であろうとする」
★
この講義での私の主張と願い。
「人は伸びようとした場合、失敗や間違いを犯す。
この失敗や間違いがあってこそ、人は成長する」
この失敗や間違いがあってこそ、人は成長する」
「もしも、自己の成長を期さない人がいたら、せめて他人の成長プロセスでの現象である失敗や間違いを責めることはしないで欲しい。邪魔をしないで欲しい」
この講義も、5~6回ですね。
無論、勤務時間まで食い込こと度々。
無論、勤務時間まで食い込こと度々。
そして、そして、彼等の日々の振る舞いの変化には、都度、驚かされましたね。
注)企業名並びに人名は全て仮称です。