社員旅行は危険がいっぱい!

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社員旅行で、熱海の温泉旅館へ。
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酔い潰れた高山課長は、我等の部屋の我等の布団の上に大の字で寝ています。
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何という傲慢な奴!!こりゃ、お仕置きをせにゃ!
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「よっしゃ、マジックをとって来るわ」
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そう言うなり、清水君は部屋を飛び出しました。
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今から32年前の1977年(昭和52)初秋の事だったと思います。

私の履歴書・144

勢い良く出て行った割には、五分位かかって帰ってきました。
傍の階段を降りたらそこが帳場なのに。

「遅かったじゃないか。」
「帳場にマジックが見当たらなくて。探してもらってようやく見つけた!」

「それじゃ、始めるか」
「わしに任しておいて!」

「君はパンツ脱がせの名人か?」 
「水無瀬さん、わしをホモのように言わんといて」

「ひょっとして君か? 何年か前の本社の社員旅行で、浴衣姿の酒豪の芥川女史を酔い潰して、顔に髭を書いて、更に下着のパンツ(ショーツ)にも落書きをしたのは?」
「いや、あれは、ワシと違う!違う!」

注)何年か前と言うと、1970年(昭和45年)前後の社員旅行のこと。私の入社前の話。

「じゃ、誰や?」
「あれは、勇を含めて三人や」

「あ~、甘いマスクの勇か。あいつならやりかねない!
うわさでは翌朝、大騒ぎだったらしいな」

「良く知っているな。翌朝、芥川女史がホテルのラウンジで大暴れ! 
取締役や部長連中は、芥川女史に捕まってボロクソ! 

『社員旅行って、何の為ですか?』
『こんな下種な社員しか育たないのは、だいだいあんた等がだらしないからでしょう!』 とかね。」

「納得!納得! 芥川女史ならその位の事は言いよる。しかし、よう収まったな!
墨ではなくマジックで書いたらしいから、顔の髭、とるのに苦労したやろなぁ~」

「勇が自分の小切手帳を取り出して、『ワシが代表して慰謝料を払う!』と言って小切手に金額を書いて芥川女史に渡そうとしたんだ。とたん、『私を甘く見ないで! 私は金で動く女じゃない!』と大きな声で怒鳴って小切手を紙吹雪にしたんだ!」

「どうして収まったの」
「その日、企画の吉田課長が何やかやとおだてて何とか収まった!」

「あの女史をなだめすかすとは流石! プロだね。」
「処が、翌日からが大変! 芥川女史が豹変! そもそも芥川女史は、勇に惚れていたから、追っかけが始まった。プッツン糸が切れて女になったんだ!」

「そりゃオモロイ! あの聡明なる女史に追われたら勇は男冥利!」
「勇の姿を遠くから見つける否や、甘い大きな声で『勇さぁ~~ん!』って駆け寄って行くんだよ!」

「いつも部課長連中をたじたじにさせる芥川女子から、デレデレとすがりつかれたら感激だね!」

「こりゃ、堪らん!と言うことで、勇は急遽、その時に付き合って間もない女性と結納を直ぐに交わし、社員旅行の二ヵ月後に結婚式を挙げて一件落着」

「そういう事だったのか! 勇から直接聞いた話では、会ったのが未だ二度しかない女性に土下座をして結婚してもらったって! 冗談かと思った。」

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顛末はこうです。

勇君(私より一つ上)は、二度しか会っていない18歳の女性を呼び出して結婚の申し込みをしたのです。
勇君が26歳の頃。強引にイエスの回答を得るなり、その足で彼女の家に行ったのです。

彼女の両親に最初に会った時の言葉。
「魔の手から私の身を守って下さい」 だったとか。

事の粗筋を話して、「私はお嬢さんを必ず幸せにします」 と言いながら、彼の両親所有の借家やアパートの登記簿謄本を広げたのです。

先方の両親は、びっくり! 何せ娘はその年に高校を卒業したばかり。18歳!
更に両親が驚いたのは、即刻の挙式を懇願された事! 

特に本家には、月内に娘の結婚式を挙げるから来て下さいとは言えない。
それに世間体がある! 娘が妊娠したからと思われる!

逆に、先方の両親から、せめて結婚式は二ヵ月後にしてくれ!と懇願されたそうです。

そして二ヵ月後の12月初めに目出度く結婚式。


その話が終わるや否や、いよいよ清水君の両手は課長の白いパンツへ。
「水無瀬よ! こっち側の腰を上げるから手伝ってくれ!」

「あいよ! でも、チビのくせに重たいな!」
「身体に力が入っていないから、肉の塊と同じだよ」

先ずは、パンツの左片側が下げられました。
次に反対側に回って、亀の甲羅を引っくり返すように彼の腰を持ち上げました。

そして、パンツの右片側を下げて、ペロン!

                              つづく