寝台車から深夜追い出される恐怖

No.116《寝台車から深夜追い出される恐怖》 とんだ新婚旅行④
^^^㈱日本旅行鹿児島営業所が代替に渡してくれた寝台券は実は偽物!


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別府での余分な一日の時間は、神が私達に恵んだものと思いました。
.別府のラクテンチでは、お互い疲れきっていましたが、仕合せな時間でした。
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しかし、その夜、待ち受けていたのは、人の心の悪と善。
.手を差し伸べてくれた神様がいました。

私の履歴書・116

翌朝は晴天でした。のどかな日でした。再度、宿の庭で妻をパチリ。
レンタカーを借りて阿蘇の火口に両側から上がりました。

宿の仲居さんの言葉に従って、妻の写真を沢山撮りました。
それから恐らく由布院を通ったと思います。

この時に、滝廉太郎が「荒城の月」の曲を構想したとされる岡城址臼杵(うすき)の石仏に行った記憶が無いのです。

夕方、別府でレンタカーを返して、その夜は、別府・北浜海岸の『ホテル白鷺』に宿泊。

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翌日、本来ならば、朝はゆっくりして駅に行き、昼前の特急で京都に帰る予定。

さて、まる一日、どう時間をつぶすか。
ホテルのフロントに聞いて、駅前から別府地獄めぐりの観光バスに乗車。

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海地獄・かまど地獄・血の池地獄・竜巻地獄などを巡りました。それに高崎山
この地獄めぐりの歩きでは疲れましたね。それでもまだまだ時間が余っています。

ひょっとして、このまる一日の余分な時間は、神様が私に妻の写真を沢山撮らせるために与えたのでは。写真をもっともっと撮らなくては。

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ケーブルカーに乗ってラクテンチに行きましてメリーゴーランドやジェットコースターに乗ったり。流石にこの時の妻には疲労の色。

妻に昨日の旅館・山王閣の仲居さんの事を話しました。
「お互いに疲れているが、カメラを向けた時は、笑顔!!笑顔!!
この写真が、私達夫婦の将来を守ってくれるもの」

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四時半頃ここラクテンチを出ました。未だ七時間もあります。
もうこれ以上何処かに行くのは困難でした。

別府駅近くの居酒屋での夕食で時間をつぶしましたが、二時間が限度。
それから喫茶店で。

「じっとして座っていられる駅の待合室に行きましょう」と妻。
別府駅の待合室に入ったのが午後九時頃。乗車まで未だ二時間半。注)23時23分発

待合室の座席の前は、切符販売のカウンター。座るのは私達だけ。
妻は、目をつむってじっと座っていました。

私が何度もカウンターの前をうろうろしていましたから、カウンターから声をかけられました。50歳位の当直の駅員さんですね。

旅行ではなく、ひょっとして駆け落ちと思ったのかもしれませんね。

「何処まで行くのですか?」
「京都まで帰るのです」

「切符を見せてくれますか?」
私は、切符を取り出して駅員さんに渡しました。

「この切符では、寝台車『彗星5号』 に乗車は出来ません」
「これ、㈱日本旅行が発行したものですよ」

「この切符の台紙、今は使用禁止のものです」
「乗車券もですか?」
「乗車券は使用出来ます」

「寝台車に乗ったらどうなりますか?」
「先ずは、改札を通してくれないでしょう」

「でも、乗車券はまともなものでしょう?」
「改札員がこの寝台券を見逃す確立は四分六分。運良く寝台車に乗れたとしても、寝台車の中での検札にひっかかります」

「引っかかったらどうなりますか?」
「次の停車駅で下ろされます」

「真夜中ででもですか?」
「そうです」

「何処で降ろされますか」
「博多までの間に切符検札をするでしょうし、博多駅で降ろされるでしょう」

「もしも、博多まで検札が来なかったら?」
「博多を過ぎましたら、必ず来ますから次か次の駅でしょうね」

「と言いますと?」
山口県の何処かの駅となります」

「それもクリアーしたら?」
「この連休ですから満席です。必ず何処かの駅でお客さんが乗車してきて重複したこの寝台席に来るでしょう」

「それでどうなります?」
「客は乗務員を呼びますね。でも緊急用のベットまでも使っていると思いますので、代替は無いでしょう。次の駅で降ろされます。」

「京都まで床に座らせてもらうことは?」
「それは出来ません」

「降ろされるとしたら、午前一時とか二時ですか?」
「そうなりますね」

「こうなる事を、㈱日本旅行鹿児島は知っていたのですか?」
「当然、知っていたでしょう」

目の前が真っ暗。
しょげて、うなだれましたね。

どこかの田舎の裸電球がせいぜい一個しか点いていない真っ暗なホームを連想しましたね。
そこに妻と私の二人は放置される。ポツンと。

切符を受け取り、カウンターを去ろうとしたものの、さて、今夜の宿を探さなければなりません。果たして、これから泊まる宿は見つかるのか?

五月連休。空きはあるまい。そして、ここで夜を明かしたとしても明日の特急の指定券は無い。
もう、思考停止でしたね。

くるりと背を向けて、妻の座っている処に行こうと数歩進みました。
まさか、㈱日本旅行から、こんな仕打ちを受けようとは。

注1)2010年6月30日 旅行会社名に誤りがありましたから訂正しました。
注2)新婚旅行の時の写真が見つかりましたので、記事の中に貼り付けました。

   ◆   ◆   ◆

(続き)
No.117《こうして救われました》 とんだ新婚旅行④
^^^^^JR別府駅の駅員さんは、本物の寝台券と交換してくれましたが未だリスクが - - - -
https://blogs.yahoo.co.jp/minaseyori/56590228.html

(これまでの記事)
No.113《新婚旅行で妻に言った言葉》 とんだ新婚旅行①
^^^^^私達夫婦の誓語とは
https://blogs.yahoo.co.jp/minaseyori/56532656.html

No.114《悪魔の宿る旅行会社》 とんだ新婚旅行②
^^^^^㈱日本旅行鹿児島営業所に特急券を奪われる。騙されたとは知らずに。

No.115《一生心に残る旅館の女将さんの言葉》 とんだ新婚旅行③
^^^^^新婚旅行で、写真をいっぱい撮りなさいと言う仲居さん。阿蘇内牧・山王閣
https://blogs.yahoo.co.jp/minaseyori/56564749.html


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