顔に似合わず踊りが好きでした。特にチークを。
私の履歴書・94 |
昨夜は送り火。あの世から一時的にご帰還されました皆様のあの世へのお帰りになる時刻が明けて今日の未明。つまり、これから明け方にかけてですね。
《アルバイト家電店長奮闘記 ⑥絶望的夜明け前のチークダンス》
正月早々、仲山社長は、店の奥の事務室に私を呼び請求書を見せてくれました。
12月分の料亭・クラブ・ゴーゴーバーのお好みコースの請求書でしたね。
12月分の料亭・クラブ・ゴーゴーバーのお好みコースの請求書でしたね。
合計で確か47万円。この中には社長がお客さんを接待した分も含まれていましたから、延べ人員で割りまして、一回一人当たりが約3万円。
私のアルバイト料が時間給130円で一日1,040円。つまり、一回の私の飲み代が休日無しの私の一ヶ月の給料と同じ額。12月は三回行きましたから私だけで9万円。
社長は言いましたね。
「君の飲み代一回分は、粗利率5%で60万円の新品商品を売った額。カラーテレビ5台分」
「君の飲み代一回分は、粗利率5%で60万円の新品商品を売った額。カラーテレビ5台分」
更に「君たち7人の給料一日分が1万円弱。これを差し引いて、一日に2万円の粗利益を出したら、出した日毎に飲みに連れていくよ」
それを聞いた時には、一瞬カックンでしたね。それまでの商売の延長線上ではラッキーが無ければ偶にしか出来ない数字。素敵な女性と丑三つ刻にラストダンスをもう踊れないのかと思いましたよ。
日々の収益の元と言えば、バッタ屋相場・中古品買取りとその販売、それにテレビ修理。
店頭販売は店の場所が悪いので数字の期待は出来ませんでした。
店頭販売は店の場所が悪いので数字の期待は出来ませんでした。
修理のテレビの大半は真空管方式で、故障の大半は真空管の劣化。
NECの新品真空管一本毎に箱に印刷されている定価は、3,000円~5,000円。
この仕入れ値が一本170円~500円。こういう仕組みなのです。
NECの新品真空管一本毎に箱に印刷されている定価は、3,000円~5,000円。
この仕入れ値が一本170円~500円。こういう仕組みなのです。
そこで、下取りしたテレビから古い真空管を抜き取り雑巾で汚れを拭いて使います。
つまり部品代はゼロ。時には、裏側の調整つまみだけで直るものも。
但し、顧客への請求は、「真空管交換 修理一式3,000円~7,000円」
つまり部品代はゼロ。時には、裏側の調整つまみだけで直るものも。
但し、顧客への請求は、「真空管交換 修理一式3,000円~7,000円」
毎日、素敵な女性と夜明け前にチークダンスを踊るには、毎日、粗利額を倍にしなきゃなりません。
さてさて、どうするか?