京都大覚寺の桜

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大覚寺・大沢の池の北側です。背景の青く霞む山は愛宕山です。
いかにも、京都の桜の情景です。この池が観月の名所として有名なはずですね。

赤い塔は、「心経宝塔」。画面左下が「護摩堂」。右下の桜が「天神島」。
この天神島には、名前の通り、菅原道真公が祀られています。



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池の北側から南を見やりますと、この小さな島「菊島」で、紀友則の歌にちなむと言われています。
紀友則紀貫之の従兄弟)と言いますと、やはり、古今集百人一首(33番)で余りにも有名ですね。


「久方の ひかりのどけき 春の日に しづ心なく 花のちるらむ」
                              


■□■ 鑑賞 ■□■

柔らかな春の日差しの中を、桜の花びらが散っていく。

こんなにのどかな春の一日なのに、花びらはどうしてこんなにあわただしく散っていくのか、静める心はないのか、という歌です。

とても日本的で美しい光景。そんな桜の美しさが匂うような歌といえるでしょう。
情景が目に浮かぶ、非常に視覚的で華やかな歌でありながら、同時に散り行く桜の哀愁もどことなく感じられます。

紀友則古今集の撰者でしたが、この歌は、古今集の中でも特に名歌とされていました

                 (小倉山荘発行『ちょっと差がつく百人一首講座』より)
   

今回も若い男女のお二人さんが、しず心で大沢の池の春爛漫を大地で感じていました。



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このお二人さんの右横にあるのが紀友則の歌碑です。

【菊】  「一本(ひともと)と思ひし花を大沢の池の底にも誰か植ゑけむ」(古今集


ここで嵯峨天皇が野菊をつみ,瓶にさしたところ天地人の法にかなったとも伝え,
これが嵯峨流華道の基となったと言われています。

                               続く

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