40年前の京都の夜のこと

ほっこり京都人(9)

 ここで余談を一つ。

京都在住三年目(1966年)10歳年上の丹後出身の友人と七条新町で一杯引っ掛けた後は、タクシーで「千本に行こう!」でした。

行き先は、上七軒近くの公園。その公園の中に10坪程の平屋のほったて小屋。
ゲイバーなのです。ここの従業員のゲイボーイと踊るためです。ツイストを。

歳は16程の彼のツイストは最高でした。
その彼と向かい合って踊るのです。彼の腰ひねり。しびれましたね。

但し、カウンター席の横に来られますと、身震いしましたね。
甘い女性っぽい男の声色に慣れていませんでしたからね。

或る日、突然、このほったて小屋が消えていました。痕跡は皆無。
全く無いのですよ。石ころ一つ、チリ一つ無いのです。

かのゲイボーイが東京でデビューするので、経歴消去のためなのでした。
東京の新宿二丁目でのゲイの走りが1960年代半ばとの事ですから、ほぼ同じ時期ですね。

イメージ 1.
尚、当時、京都の風変わりなゲイは、祇園にありました。
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今も現存する小さな居酒屋「たかし」。
(東山祇園甲部・四条花見小路下る東入る)
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ここの当時40歳代のご主人が、着流しのゲイ。

東映チャンバラ映画の主役を演じる千恵蔵らのお気に入りの一杯屋でした。
ここのカウンターで飲んでいると、偶に連中らに会えたものです。

京都にも、「芸子」や「舞妓」だけでなく、この時期、既に「ゲイ」もいたのですね。

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