京都の言葉の素敵な訳
ほっこり京都人(5)
《京ことばの裏事情2-1》
私が22~23歳の頃です。二軒隣に、ある小さな会社の60歳弱の社長夫婦が住んでいました。
宵闇になる時分、着物姿のその夫人がやって来ます。後妻なのです。
宵闇になる時分、着物姿のその夫人がやって来ます。後妻なのです。
或る日の事、タケシ君がいないので私の運転で行こうと言い出しました。
玄関を上ると右手に六畳の和室におこた。お銚子と、おちょこ(盃)と、あて(酒の肴)が出てきて先ずはなめる様に一杯。この家の住民の60歳代の着物姿の女性二人がお酌をしてくれるのです。
それからそのうちの一人は徐に三味線。チントンシャン。残る一人は舞をします。
ご夫人は、その三味線に合わせて清元(唄いもの)。
ご夫人は、その三味線に合わせて清元(唄いもの)。
「うたわへんのか?(唄わないのか?)うたわへんのか?」とご夫人にからまれる私。
小母様三人ががりのご指導で私も清元であごしゃくり。
小母様三人ががりのご指導で私も清元であごしゃくり。
この私の清元のあごしゃくりは、この六畳で半年間続きましたね。
でも、次から次へと新しい演目のご教授ですから覚え切れない。
でも、次から次へと新しい演目のご教授ですから覚え切れない。
実は、この六畳(通称四畳半)の二人の女性は、元、芸子。
この家は、その昔、この二人の芸子さんを身請けした旦那さんが買いあてがったもの。
二人に一つの民家をあてがっていたのです。
この家は、その昔、この二人の芸子さんを身請けした旦那さんが買いあてがったもの。
二人に一つの民家をあてがっていたのです。
《京ことばの裏事情2-2》
この山門の二階から、奥様と同じような年齢の女性が降りて来ました。
私「姉妹ですか?」
奥様「そうはおへん。おめかけさんどす」
私「姉妹ですか?」
奥様「そうはおへん。おめかけさんどす」
おめかけさんは、入り口の門の二階に住み、本妻は奥の母屋に寝泊り。
本妻とおめかけさんは仲が大変良いとのこと。この時も二人でニコニコ。双子もどき。
本妻とおめかけさんは仲が大変良いとのこと。この時も二人でニコニコ。双子もどき。
旦那さんに二人で組んで、色々な要求を突きつけるのだそうです。
何故にこうなったのかは、お二人さん、共に、元、芸子でしたからね。
何故にこうなったのかは、お二人さん、共に、元、芸子でしたからね。
お互いにお互いを理解出来たからでしょう。
☆ ☆ ☆
こんな風に、京都の街では、花街言葉が街言葉となって来た訳ですね。
尚、この当時は、白川女(しらかわめ)が観光用ではなく、普通に京都の街のほぼ全域を歩いていました。
頭に、花を乗せて。「花、いらんかェ~~」
,
表玄関は花見小路に面しているのですが、今も裏の暗い路地のこの裏木戸から出入りします。
.
一見(いちげん)さんは、お断りなので、おなじみさんだけの出入り口。
.
今でも、郵送されてくる請求書は、和紙に筆書き。
.
それに「花代」と書かれています。
.
「おこしや~す」と迎えてくれるのが元芸子さんの女将さん。
.
和服が良く似合う、涼しい瞳の女性です。
.
この暗い裏木戸をくぐった瞬間から、京都! 京都なのです!
表玄関は花見小路に面しているのですが、今も裏の暗い路地のこの裏木戸から出入りします。
.
一見(いちげん)さんは、お断りなので、おなじみさんだけの出入り口。
.
今でも、郵送されてくる請求書は、和紙に筆書き。
.
それに「花代」と書かれています。
.
「おこしや~す」と迎えてくれるのが元芸子さんの女将さん。
.
和服が良く似合う、涼しい瞳の女性です。
.
この暗い裏木戸をくぐった瞬間から、京都! 京都なのです!
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★