ほっこり京都人(3)

《この京都人・田上支店長が、いかなる事で東京人を理解出来たかの余談を一つ》

ある日の夕方に、支店長がやって来ました。事務所三階にいたのは、私と、他部署の蓮池君。
「一杯飲みに行こう」と言うので、三人で地下鉄駅の上の居酒屋に行きました。

田上支店長は「もう一軒行こう!」といたく御機嫌。銀座に連れていくのは高くつくし、蓮池君と相談。
安くあげるには支店長の自宅近く、高田馬場ピンクサロン行きで合意。

それに、支店長は、ピンクサロンさえも行った事が無いと言うのです。
まあまあ、その感激振り!! ある家畜が木に登ったような!!
  

翌週の夕方、また来ました。前回は、蓮池君の部署で接待稟議書を書きましたが、今度は、私の部署で書きました。居酒屋→ピンクサロン→奥様へご主人を抱えてお届けが毎週。


或る日、その店のクリスマスパーテー券を持っており、「行こう!行こう!」というのです。
どうやら、一人で行き出したようです。仕事では四面楚歌。暖かく迎えてくれる所はそこのみ。

「支店長さん、たいがいにしなはれ」と言ったのですが。
そのうち、私は、広島に転勤となり東京を離れました。


後日談では、田上支店長、当初は高田馬場、以後新宿と、半年間夜の通勤をされたとか。
支店長ですから、交際費の枠をかなり持っていますからね。流石、ピンサロ代400万円超とか。



京都生まれ・京都育ちの支店長にとって、東京ピンク勤務の女性との会話は、未知との遭遇でした。
京都と違って、そこは、オープンにストレートに会話が出来る天国だったのでしょうね。

その後四年間、無事、恙無く東京支店長をお勤めになったそうです。

話が、どんどん、ずれてしまったようです。




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