天王山でのカエルの昔話

小説「蘆刈(あしかり)」の中で、作者・谷崎潤一郎は、東の岩清水八幡宮の男山と目の前の天王山等四方眺めて言いました。

「わたしは今南北の山が屏風(びょうぶ)のように空をかぎっている谷あいの鍋底のような地点に立っている」


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写真は、左が天王山、右の小山が男山です。この間が三川合流地点です。
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この左の山の斜面と右の山の斜面に、丁度、鍋がすっぽりはまりそうに見えますね。
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尚、この秀吉と光秀が天下を争った天王山の名前の由来は、牛頭天皇の子供八王子だそうです。
名神天王山トンネルも含めて、北半分が京都府大山崎町大山崎、南半分が大阪府島本町山崎です。



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天王山にちなんで、日本の昔話があります。
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昔、昔、大阪を羨む京都のカエルと京都を羨む大阪のカエルがいました。
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お互いに自分の住んでいる所がつまらなく、奇しくも同日にそれぞれの地を出発。
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偶々、国境の天王山で出会いました。
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お互いに、相手の街を良く見ようと背伸びをして眺めたのです。
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京都のカエルも大阪のカエルも「なんじゃ!たいして変わらないじゃないか!」とね。
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この意味はさておき、カエルは立って向こうを見ようとすると、目が後ろになるのですね。
つまり、相手方の街を見たつもりが、自分の街を見ていたのですね。
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このモニュメントは、大山崎資料館(阪急大山崎駅徒歩二分)の1Fにあります。