鵜殿の葦焼きでの小鳥達

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あなたは、ひばりが、うぐいすが、燃え盛る火の中に突っ込んで行く姿を想像できますか?
野の小さな小鳥達が、巣を案じ、巣を守るために、小さな身体で、それは壮絶な最後でした。
それは、誰も書かなかった鵜殿(うどの)の葦(あし)焼きの小鳥達の現実でした。

尚、私は、鵜殿(うどの)の葦(あし)焼きに、反対する者ではありません。
焼かなければ、鵜殿(うどの)の葦は、いずれ絶滅してしまうからです。
反対する為に、このブログに掲載したのでもありません。
ただ、あまりにも、小鳥達が可哀そうだからです。
          (注)鵜殿所在地は、大阪府高槻市 阪急電車上牧駅下車徒歩10分
                   


       ☆       ☆       ☆

今日、二月二十五日、いよいよ、鵜殿の葦焼きの日。


以前は、遠くから、あるいは、自宅から、舞い上がる煙を唯見ているだけだったのです。


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午前九時五分、鵜殿着。

鵜殿の空は、小鳥達の鳴き声で一杯。



どこかのTV局が来ています。

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鳩は、のんびりと餌をついばむ。
だが、小鳥達は、いつもと違う。
こんなに、姿は見せない。

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炎が近づく。逃げない。
この小さな炎と、迫って来る炎の僅かな間に、何羽の小鳥がいると思いますか。




一時退避した小鳥は、土手に飛んでくる。目の前に。だが、再度、炎の方に飛ぶ。




煙の隙間から、小鳥のつがいが飛ぶ。

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尚も、旋回する小鳥。上空で、何度も、煙の隙間に入って行く。
ここから逃げていかない。巣を見守っているのだ。



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遂に、炎のなかに突っ込む!
炎に垂直に落ちるのは、煙にやられたのか?

また一羽、また一羽。一羽、二羽どころではない。

小鳥の鳴き声が、だんだん少なくなっていく。


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小鳥は、尚も、巣を案じ、煙に入る。


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どうやら、再度、目の前に来たこの小鳥さん(アオジ?)は、生き延びたようだ。




遠くから、見ると、何事も無かったように、煙は、天に舞う。
小鳥の鳴き声は、もう、空に無い。




古今集のうぐいすの歌に、目頭が熱くなる。

うぐいすの なく野辺ごとにきてみれば うつろふ花に風ぞ吹きける