谷崎潤一郎原作・主演田中絹代

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谷崎潤一郎の小説「蘆刈」(あしかり)は、大映映画「お遊さま」《(主演)田中絹代乙羽信子
という題名で1951年封切られました。

この小説では、舞台である水無瀬の光景が詳細に述べられています。


写真の本は、教育出版ですが、中央公論文庫本での説明は下記の通りです。



『 後鳥羽院の水無瀬《みなせ》の宮の跡を訪ねた作者は、名月の光の下にひろがる淀川の蘆辺で一人の男に出会った――

 瓢箪(ひょうたん)を出し酒を勧めてきた男は、その父親と〈お遊さん〉〈おしず〉の姉妹三人の親愛に満ちた不思議な物語を語りはじめる。谷崎四十代の輝かしい傑作の一つ。 』



この小説「蘆刈」(あしかり)のシナリオに沿って、水無瀬を語ろうと思います。


           ☆     ☆     ☆


さて、この小説での最初の一行が和歌である。

この和歌が、小説の題名でもあり、これから展開する物語を暗示している。
これは、「拾遺(しゅうい)和歌集」に収められた壬生忠見(みぶただみ)の和歌であり
「大和物語」やその他の歌物語も取り入れられている。

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「君なくて あしかりけると思うにも いとど難波の浦ぞすみうき」


 【注】あしかり→掛詞 「蘆刈り」と「悪しかり」

        諸説は「覆水、盆に帰らず」ですが、そう単純には解釈したくないです。

        尚、この歌の解釈は、次回にします。


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尚、壬生忠見(みぶただみ)は、皆さんご存知、百人一首でも有名ですね。
「忍ぶ恋」という題で詠まれた歌です。



「恋すてふ わが名はまだき立ちにけり 人しれずこそ思ひそめしか」
                           (拾遺621)(百人一首41)



    【通釈】恋をしているという私の評判は、早くも立ってしまった。
        人知れず、ひそかに思い始めたのに。

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