不二家はどうなるのだろうか

不二家は、ショートケーキでも問題を起こしている。

あのミルキーペコちゃんが、かわいそう。
姿を消すのであろうか。


 ☆     ☆     ☆


『 不二家のショートケーキ 』


京都に来てから二年目の昭和41年(41年前)のこと。

東京にいる同郷の、ある君との初デート。
中学二年以来、六年振りの再会。
渋谷忠犬ハチ公で待ち合わせ。

最初に入ったのが、そこからほど近いビル2Fの不二家茶店
ペコちゃんが、したり顔で迎える。

君が注文したのが、ショートケーキ。

生クリームは輝く白。真綿のような柔らかさ。
イチゴの表面は、つやつやと赤く輝く。

君は、小さなフォークで、その小さな一片を口に運んだ。


「おいしい!!」


とたん、表情がゆるむ君。
笑顔がますますかわいくなる君。
後光が差したように、まぶしくなる君。



そして数年後、私が不二家のショートケーキを初めて味わう日。

そうか!!
あの時の、あの君の喜びがこの喜び!
あの時の、君の舌の感触がこの感触!


あれから幾十年。
そして今も、あれからずっと今までも、買うのは白く赤いショートケーキ。

白い皿に乗るショートケーキを見る度に、あの時の光景があざやかによみがえる。
あのときの君が、今でもまぶしい。