初恋慕情夢路編4)

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『ほおじろよ 恋した人は 今いずこ 木々のざわめき 揺れる心よ』





 2005年五月連休の後の風の強い日曜日の事。

 近くの中学校の校庭の高い木の先っちょの細い細い梢に止まって、上下左右大きく揺れるも、
一生懸命にさえずっている小鳥を、真下から見上げました。

 なんと高い所で! 

 でも、幾ら高いと言っても三橋美智也さんの1958年の歌では、「とんびがくるりと輪をかいた~そこから東京がみえるかい~」ですので、ほおじろには、東京は見えませんね。



 その後、この情景が何度も思い出されました。

あんなに高い梢からでしたら、ひょっとして、青春時代のあの人が見えたら良いのに、と思いました。



 強い風に木々は大きく揺れ、ざわざわと音がするのです。

でも、ほおじろは、その木の梢で大きく揺れながらも一生懸命、誰かに何かを伝えようと鳴くのです。



 あれから幾年経ったある日、うわさであの人がよその街の人と結婚した事を聞きました。


 それからあっという間に幾十年。ほうじろが、今、あの人からの伝言を、私に伝えようと鳴いているのなら、直ぐに会いに行きたい衝動にかられました。


 この短歌は、その時に詠んだものです。

                        05.06.01



 今思い起こしますと、やはり、昨年の初夏には、胸騒ぎがしていたのでした。
                            06年9月



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