白文鳥ピピ物語(4)チビとの出会い
部屋の中には、インコが、鳥籠にいたわ。
meを見て、驚いて、恐ろしがって、逃げ回っていたわ。
おっさんは、困った顔をして、やがて、ダンボール箱を
取り出してきて、その中に、meを入れたの。
箱の中から、見上げる四角い光景は、蛍光灯がまぶしいよ。
meは、このダンボールで暮らすのかしら。
かっての西新宿のホームレスのようには、なりたくないし。
どうしたら、いいのかしら??
それから二日後、meはようやく落ち着く事が出来たの。
このダンボールの生活に慣れたのね。
或る日、インコと二羽だけになった時に、インコチビが話しかけてきたの。
「私の名前はチビ。実は、君をここに呼んだのは私だ。昨年から誰かを呼んでいたのだが、
ようやく君が来てくれてうれしいよ。私は、もう少しで十四歳。歳をとり過ぎた。
私に残された時間は、あとわずかなのだよ。」
更にインコチビの話は続いた。
「私は、君に言い残しておかなければならない事がある。聞いてくれるかい?」
meは、しゃがれた、今にも息切れしそうな老鳥インコのチビに、即座にうなずいた。
その当時のインコチビは、餌を食べに止まり木から降りては来れたが、登る事は至難の業だった。
鳥かごの網を伝って、辛うじて止まり木に立つも、身体が左右に揺れていた。
続く