沖縄米軍基地:昭和天皇の要望


昨日の記事『天皇靖国神社』(2018/10/22(月) )の続編です。
(前回記事URL)

今回の以下の記事を一言で言うならば「今も続く沖縄の米軍基地は、昭和天皇が自己の命を守る為に米国に要望した結果」である。

以下、本文

1998年6月2日に米国で機密解除された文書によると、1947年9月の昭和天皇の米国への意見は、琉球諸島を米軍が賃貸で長期間軍事占領して欲しいというものであった。

これに対して、マッカーサー元帥の代理人ウィリアム・ジョセフ・シーボルド(註1)は、「昭和天皇の要望は間違いなく主に私利私欲に基づくもの」(a hope which undoubtedly is largely based upon self-interest)と断定し、その旨をマッカーサー元帥に報告している。

シーボルトが断定する昭和天皇のこの場合の私利私欲とは、もしも天皇制を否定する共産主義ソ連や中国が日本を占領した場合、自分の命が危ういから、米国に日本を占領して欲しいという自己保身を意味し、そこには日本国民のことは念頭に無いことを意味する。

と言うことは、以下の『昭和天皇マッカーサーの会見を通訳官が証言 The testimony of the interpreter』や、マッカーサーの『回想記』が事実に反した全くの捏造と言える。と言っても私達が習った近代・現代史の要の大半は捏造物であるが。


その捏造した内容とは、

「日本国天皇はこの私であります。戦争に関する一切の責任はこの私にあります。私の命においてすべてが行なわれました限り、日本にはただ一人の戦犯もおりません。絞首刑はもちろんのこと、いかなる極刑に処されても、いつでも応ずるだけの覚悟があります」

「しかしながら、罪なき8000万の国民が住むに家なく、着るに衣なく、食べるに食なき姿において、まさに深憂に耐えんものがあります。温かき閣下のご配慮を持ちまして、国民たちの衣食住の点のみにご高配を賜りますように」

この言葉に、マッカーサーは驚いた。彼は、昭和天皇が命乞いにくるのだろうと考えていた。自らの命と引き換えに、自国民を救おうとした国王など、世界の歴史上殆ど無かったからだ。(中略)

マッカーサーはこの時の感動を、『回想記』にこう記している。「私は大きい感動にゆすぶられた。この勇気に満ちた態度に、私の骨の髄までもゆり動かされた。私はその瞬間、私の眼前にいる天皇が、個人の資格においても日本における最高の紳士である、と思った」(中略)

この年11月、アメリカ政府は、マッカーサーに対し、昭和天皇の戦争責任を調査するよう要請したがマッカーサーは、「戦争責任を追及できる証拠は一切ない」と回答した。(以後省略)


(註1)ウィリアム・ジョセフ・シーボル
1947年から1952年まではジョージ・アチソンの後を継いで駐日政治顧問および連合国軍最高司令官総司令部外交局長を務めた。シーボルドは連合国軍最高司令官総司令部における国務省代表として機能し、1947年から1951年にかけてはダグラス・マッカーサー元帥の代理人も務めた。


シーボルドが、ワシントン国務省長官宛に送った文書

イメージ 1



DECLASSIFIED 98/6/2
機密文書解除 1998年6月2日

UNITED STATES POLITICAL ADVISER FOR JAPAN
対日アメリカ合衆国政治顧問
Tokyo, September 22, 1947 No. 1293
東京、1947年9月22日

SUBJECT: Emperor of Japan's Opinion Concerning the Future of the Ryukyu Islands.
主題:琉球諸島の未来に関する日本の天皇昭和天皇)の意見

The Honorable 
The Secretary of State, Washington.

ワシントン国務省長官宛

Sir:
I have the honor to enclose copy of a self-explanatory memorandum for General MacArthur, September 20, 1947, containing the gist of a conversation with Mr. Hidenari Terasaki, an adviser to the Emperor, who called at this Office at his own request.

謹啓
私は、1947年9月20日付、マッカーサー元帥宛に一目瞭然のメモのコピーを同封した。それには昭和天皇の顧問である寺崎秀則氏自身が望み、この事務所(ウィリアム・ジョセフ・シーボルドの占領軍東京事務所)を訪れてきた寺崎氏との会話の要点を記載してある。

It will be noted that the Emperor of Japan hopes that the United States will continue the military occupation of Okinawa and other islands of the Ryukyus, a hope which undoubtedly is largely based upon self-interest. 

日本の天皇は、沖縄や琉球の諸島の軍事占領を継続することを期待していることに留意されたいこれは間違いなく主に私利私欲に基づくものである

The Emperor also envisages a continuation of United States military occupation of these islands through the medium of a long-term lease.

天皇はまた、長期賃貸借(リース)を通じて、これらの島々の米国軍占領の継続を想定している。

 In his opinion, the Japanese people would thereby be convinced that the United States has no ulterior motives and would welcome United States occupation for military purposes.

天皇の意見では、日本人はそれにより、米国には不当な動機がないと確信し、軍事目的での米国の占領を歓迎するだろう。

Respectfully yours,
W. J. Sebald
Counselor of Mission
Enclosure:
Copy of memorandum for Genreral MacArthur,
September 20, 1947.
Original to Department. 
800
WJSebald:1h
ウィリアム・ジョセフ・シーボル