英国:癌入院患者死亡率50%も


今回は、英国公衆衛生庁と王立がん研究基金のがん入院患者調査結果です。

この初めての調査で驚愕的な事実が浮かび上がりました。
それは何とがんで入院したら最後、約半数の患者が1ヶ月以内に死亡した病院が幾つもあったということです。

日本での私が巷のうわさで聞くのは、数年前では、「あの病院に高齢者が入院すると1年以内に死ぬ」でしたが、最近、帰郷したときに聞いた話では、「駅裏のあの二ヶ所の介護老人保健施設に入所したら、二年以内に死ぬ」でした。

英国の場合、1~2年どころか僅か1ヶ月ですから、それも苦痛を伴う抗がん剤である化学療法によるものですから、苦しんで殺されるために入院するようなものです。

私の東京の友人のそのまた友人の場合、二人とも大手病院組織の事務方で元気でしたが、医者にがん宣告され、然も存命期間は僅か2年とも宣告され、抗がん剤治療を受け、そして、きっちりと2年少々で亡くなりました。

その東京の友人も、私より6歳若いですが、数年前に肝臓がんを発症し死亡。それより何年か前は、滋賀の10歳年上の友人が胃がんを発症し死亡。3人に共通していることは、毎年、人間ドックで精密検査をしていたことです。成程。

『実は有害な健康診断と検診の罠』 2015/12/15(火) 
世界の医療機関や医師や患者が共同研究するコクランでは、健康診断や検診は無意味であり、寧ろ、病気や死を招くと結論づけている。

尚、余談になりますが、病院の場合は、病院の平均入院期間が長いと、病院の全診療報酬が減額されますから、それを防ぐため。介護老人保健施設の場合は、待機者が多く、入所者を追い出すのではなく死亡させて空きベッドを作るためですね。恐らく。

(前回記事)
乳がん:化学療法は転移を促進』 2018/3/21(木) 
『がん:化学療法で腸壁破壊』 2018/3/23(金)

さて本題

Chemotherapy warning as hundreds die from cancer-fighting drugs 
 がんの治療薬で数百人が死亡するなど化学療法の警告

News Science 30 AUGUST 2016 
Sarah Knapton, science editor 

研究の結果幾つかの病院でがん薬が患者の50%を殺していることが示された故化学療法の危険性について患者に警告すべきである

研究者は、化学療法の開始から30日以内に死亡したがん患者の数を初めて調べた。これは、死亡原因ががんではなく化学療法であることを示している

英国公衆衛生庁と王立がん研究基金の調査によると、英国全域で肺癌患者の約8.4%、乳癌患者の2.4%が1か月以内に死亡した。

しかし、一部の病院ではその数字ははるかに高かった。ミルトン・キーンズ(註1)では、非常に少数の患者にも拘わらず入院1ヶ月以内の肺癌治療の死亡率は50.9%であった

ロンドンの北西約80キロ、オックスフォードとケンブリッジのほぼ中間の丘陵地にあるニュータウン

ランカシャー教育病院での治癒を期待されなく症状を緩和するために与えられた肺がんの緩和化学療法では、30日間の死亡率が28%だった。

化学療法による肺がん患者の死亡率も、ブラックプール自治体名、イギリス最大の保養地)、コヴェントリー(都市名)、ダービー(都市名)、サウスタインサイド(首都圏の州名)、サリー(別称サリー州)、サセックスイングランド南東部の旧州)では、全国平均よりもはるかに高かった。

同様に、ケンブリッジ大学病院で乳がんの緩和ケアを受けた約5人に1人が治療で亡くなった。

イングランド公衆衛生サービス(PHE)は、関係する病院に診察を依頼するよう連絡したと述べた。

イングランド公衆衛生サービス(PHE)のがんの主導者であるJem Rashbass博士は次のように述べている。

「化学療法は癌治療の不可欠な部分であり、過去40年間の生存率向上の大きな理由である。

しかし、それは重大な副作用を伴う強力な投薬であり、そして、積極的に化学療法する患者には苦痛であり、頻繁に投薬量のバランスを正確に取る。」

「死亡率が予想外であった病院では、結果が共有されており、実務とデータの見直しを依頼している。」

この研究では、乳がんの女性23,000人以上と、2014年に化学療法を受けた9634人の非小細胞肺がん患者約10,000人を対象とした。治療された患者のうち1,383人が30日以内に死亡した。

化学療法は、健康な細胞と癌性の細胞とを区別しないため、体にとって有毒である。

研究者はまた、高齢者および健康状態が悪い人々の生存率に有意差があることを見出した。 

彼らは、医師に対し、化学療法が良いと言うよりも、より害を及ぼす可能性があるため、化学療法を施す患者の選択をより慎重にするようにアドバイスした。

英国リーズのセントジェームズ病院の腫瘍学研究所のDavid Dodwell教授は、「この統計は全体的に悪い実務を示唆するものではないが、いくつかの異常値がある」と語った。

「それはデータの問題であり、少数の死亡だけ故に計数が歪んだものの、それでも臨床診療の問題になる可能性がある。」

「化学療法は潜在的に生命を脅かすような欠点があることを患者に認識させることは重要だと思う。 そして医師は化学療法でどんな患者に治療するのかについて最っと注意を払うべきである。」

スコットランドエディンバラウェスタン総合病院エジンバラ癌センターの David Cameron博士は、「化学療法を受けてから30日以内に死に至った患者さんの中には、実は化学療法を受けていない人がいると懸念しています。 しかし、何人ですか? 簡単な答えはありませんが、おそらく死亡率が高い場所や病院を見ると回答の助けになるかもしれません。」

「さらに化学療法を減らすと、化学療法を受けなかったために死亡する患者もいます。 均衡がとれており、データが豊富になるほど、バランスを正しく取れるようにすることができます」

王立がん研究基金のチーフ臨床家Peter Johnson氏は次のように述べている。「化学療法は、がん患者の多くにとって治療の重要な部分です。 それがどれ位うまく伝達されているかについての情報を得ることは、患者や公共医療サービスにとって非常に重要です」

同病院は、その後、症例を再検査し、化学療法の処方が安全であると満足していたと述べた。

この研究は週刊医学雑誌『ランセット』に掲載された。

〇10,000 
早期診断で救うことのできる人の数
〇352,197
毎年がんと診断された人の数(2013年)
〇161,823
がんによる年間死亡数(2012年)
〇50%
がん診断後少なくとも10年の生存率(2010〜11年)
〇41%
予防可能な癌症例の割合

出典:王立がん研究基金

(原文)
Patients should be warned about the dangers of chemotherapy after research showed that cancer drugs are killing up to 50 per cent of patients in some hospitals.
For the first time researchers looked at the numbers of cancer patients who died within 30 days of starting chemotherapy, which indicates that the medication is the cause of death, rather than the cancer.
The study by Public Health England and Cancer Research UK found that across England around 8.4 per cent of patients with lung cancer, and 2.4 per cent of breast cancer patients died within a month. But in some hospitals the figure was far higher. In Milton Keynes the death rate for lung cancer treatment was 50.9 per cent, although it was based on a very small number of patients. (以後省略)
(原文URL)