子育て中の40代女性の悶々


前回記事『女性誌が誘導した女性社会』
この続編『子持ちの40代女性』を書こうとしていましたら、読売新聞のyomiDr (ヨミドクター)コラムに、同じく40代母親の記事がありましたので、それの一部を抜粋し、以下に掲載しました。

ある女性の告白なのですが、大変な長文で、三回に分けられて掲載されています。尚、発達障害の原因に関しては持論があるのですが、それは別途の記事で述べたいと思います。

他方、この記事では、若き独身女性、並びに男性の場合、結婚しようと思う前に、昔のような相手の親族や血統調査が必要なことを暗示しています。


40代女性(上)セックスレスの原因…出産、夫の単身赴任、いじめ、孤独感、家族の障害

yomiDr (ヨミドクター)コラム 2015年6月16日

(前段省略)
20代後半で年上の夫と結婚、長男出産後、触れ合い減る
(中略)
 その後、数少ないセックスで、現在、小学校低学年の長女を妊娠し、女性は夫婦関係を修復したいと願うようになりました。

 「夫婦でこの距離感が続くのはいやだし、私はずっと性欲を抑えていたので、『出産が終わったら、思う存分イチャイチャしたい。生まれたら頑張ろうね』と伝えていました」

 しかし、産後の肥立ちも悪く、夫も仕事が忙しかったこともあって、触れ合いは戻りません。小さい子どもが2人いると、夫婦でそれぞれ1人ずつ面倒を見ることに必死にもなり、まだそれほど深刻には捉えていませんでした。(中略)

40歳の頃、セックスに関心を示さない夫に気づく

 40歳になる頃、体調も戻り、改めて夫婦関係を見直そうと向き合おうとした頃、夫が女性とのセックスにまったく関心を示さなくなっていることに気づきました。たまに誘いがうまくいき、セックスにこぎ着けても、決まった手順の淡泊な触れ合いで終わり、時には挿入も未遂に終わりました。

 「夫は2人で性生活を楽しみたいタイプなのではなく、私の性欲に付き合っているだけ。私が性欲を処理するためだけの、一方的な関係なんだと気づいてしまいました。私は女として魅力がないのではないかと落ち込みました」と女性は言います。

 追い打ちをかけるように、今度は長男に発達障害があることが判明しました。幼い頃から、難聴のあった長男は、話しかけても無視することが多く、女性は「聞こえていないせいなのかな」と思っていました。

ところが、ものの名前や言葉をなかなか覚えないことからおかしいと気づき、小学校高学年の時に、専門機関で、コミュニケーションがうまくできない自閉症の一種「アスペルガー症候群」と診断を受けました。 専門家や療養指導をしてくれる発達支援センターに通うようになり、家族関係のことも話すと、医師はこう言いました。

 「きっと旦那さんも、発達障害でしょう」
 振り返ってみると、思い当たる節は多々ありました。(中略)

ここ数年は、夫のことを考えるだけで、下腹部や両ももが鋭く痛むようになっていました。

 「頭で理解して、我慢して、諦めようとしても、体が悲鳴を上げているんだと感じました。私の心身を丸ごと愛してくれる人と一緒にいたい」

 そんな狂おしい思いに捉われていた時、女性はある人と出会いました。


40代女性(中)夫以外の男性との出会い 揺れる思いに高まる欲求、そして…

yomiDr (ヨミドクター)コラム 2015年6月23日

 発達障害の疑いがある夫に、心身のつながりを求めることを諦めた3~4年前、女性は、体のこりや痛みを和らげるために通い始めた整体院で、年下の男性鍼灸しんきゅう師に担当してもらって不思議な感覚を味わいました。

そこは複数の整体師が交代で施術をしてくれるところでしたが、なぜかその男性にだけは、触れられると、体がほぐれて涙まで出てくるのです。

 「おなかのあたり、子宮のあるあたりががちがちに固まっていたのが、ゆるゆるとほぐれていく感じ。体の中でぎゅっと抑え込んでいたものが、漏れ出てくる感じでした。いつもその人に当たるとは限らないのですが、一時期、その人に触れてもらうために、そして、泣くために通っていた気がします」

 マッサージを受ける度に、涙が止まらなくなる女性に、その男性鍼灸師は、子どもにするように、頭をなでて笑ってくれました。突っ込んだことを聞くこともなく、軽い世間話を交わすうちに徐々に距離は縮まりました。彼は、たまに、からかうように体をこちょこちょとくすぐり、「しばらく彼女いないんですよ」と気になる言葉を挟みます。

その後、フェイスブックで友達になり、家族が寝静まった夜に、二人でチャット(文字での会話)を長時間楽しむようになりました。「もう、ちゃんと勃(た)つ自信ないなあ」などと性的な言葉をたくさん織り交ぜるため、女性はドキドキしていました。

 同時期に、女性は心身の調子を整えるために、昔やっていたヨガを再開していました。やはりそこでも、先生に触れられ、的確に体がほぐされていくと泣けてきます。

先生に、「家族で一緒に練習すると、いいんだよ」と言われ、夫も誘ってしばらく一緒に通ってみました。しかし、夫とは、先生と体が密着するときに感じる安心感はなく、思わず体を離してしまうような違和感がありました。

 「夫は私の何かを遮るんですね。ヨガを一緒にやっていても、『ああ、この人とは無理なのかもしれない』と感じていました」

 そんな時に出会った年下の鍼灸師。昨年ごろから、マッサージの時に、胸をさりげなく触られるのを感じていました。

その度に、体の奥が強くうずきます。最初は勘違いなのかと思っていた女性でしたが、2回、3回と胸に触れられることが続き、ほかの客がいない時に、男性に尋ねました。

 「私はあなたに触ってもらうとすごくうれしいんです。でも、あなたはどういうつもりなの? 体が反応して困るんです」

 男性は悪びれずにこう言いました。
 「ああ、ごめんなさい。面白いかなと思ったんだけど」

 女性は戸惑いました。(きっとこの人は自分にこういうことをしてくるぐらいなのだから、ある程度の好意は持っているはず。チャンスがあったら踏み込みたいけれど、相手が人妻だと思って、ちょっかいを出しているだけなのかもしれないし――)

 夫に対する思いは、驚くほど冷めてしまっていました。まじめに仕事をして、経済的に安定はさせてくれています。

でも、精神面、肉体面では満足できません。家族としてはやっていけるかもしれませんが、夫として、パートナーとしては役割を果たしてくれていないのではないかと思いました。(以下省略)


40代女性(下)身も心もしっかりつながりたい・・・淡泊な夫とついに別居

yomiDr (ヨミドクター)コラム 2015年6月30日

(前段・中段省略。最後の箇所だけ抜粋)
 最初の取材の切り口は「セックスレス」でしたが、夫の発達障害の疑いや、両親との関係、そして夫以外の男性との交流など、様々な要因が複雑に絡まり合っており、単純に何が原因とは言い切れないことがわかりました。私がわかりやすい物語にまとめてしまうよりも、差し支えない範囲で、そのままを伝えようと考えました。

 最近、NHKの「あさイチ」でも、発達障害を持つ夫とどう向き合うかという特集を放送していましたが、このブログに登場した女性のように、セックスレスや心のすれ違いの陰に発達障害が隠れているカップルはほかにもたくさんいそうだと感じました。

パートナーとの関係性に、自身の両親との関係性が影響している人も当然のことながら、数多くいそうです。孤独感を抱いて、ほかの人につながりを求めることだってあるでしょう。


(つづき)
『DNA鑑定:半数が夫の子ではない』

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