東京の空、漱石時代は文鳥。今はインコ。


東京でインコの群れが飛んでいるとの記事をみて、どうやら日本の冬を幾度となくクリアしてきたようでホットしました。

と申しますのは、明治時代の夏目漱石白文鳥を飼っていたように、当時文鳥の飼育が流行し、東京には逃げられた文鳥が群れになって飛んでいたようですが、やはり、南国の小鳥。何度目かのより厳しい日本の冬を過ごせず、今は見かけることはありませんね。



東京の空にインコの大群? ねぐらを追跡してみたら
浦島千佳  朝日 2016年1月22日

練馬区の住宅街で早朝、電線にインコが十数羽とまっていた」。同僚からそんな情報が寄せられたのは昨年7月。東京に野生のインコの群れ!?(中略)

東工大非常勤講師で京都大野生動物研究センター研究員の池田威秀(たけひで)さん(39)によると、多い時は約1800羽が集まっていたが、7月に見たのが最後という。(中略)

ログイン前の続き杉並区の日本鳥類保護連盟を訪ねた。練馬区の写真を見た研究員の室伏龍さん(32)は「これはワカケホンセイインコだと思います」。全長約40センチで、緑色の羽に赤いくちばし。ホンセイインコの亜種で、雄の成鳥はのどから首の後ろにかけて黒とピンクの帯があることから「ワカケ」(輪掛け)。枝が多く、とまりやすいイチョウの木などを集団のねぐらにするという。

 インドやスリランカが原産で、日本では1960年代後半から23区南西部で目撃され始めた。ペットとして輸入されたものが逃げたり捨てられたりしたと考えられ、関西や東海地方でも群れは確認されたが、近年は関東以外ではほとんど目撃されていないという。(中略)

午後5時すぎ、さらに多くの群れが集まり、イチョウの木々に次々ととまった。連盟の藤井幹・調査研究室長(46)の目算では約800羽が集まった。(中略)

犬の散歩中だった近所の女性に聞くと、昨年夏ごろから集まり始めたという。大岡山キャンパスから群れがいなくなった時期とほぼ同じだ。

ふれあいの森から大岡山キャンパスまでを直線で結ぶと、神奈川県から東京都へ多摩川を渡る手前に川崎市の公園がある。藤井室長は「中継地だったこの公園にねぐらを構えるようになったのでは」と推測する。(以後省略)

ワカケホンセイインコ&ムクドリ、同じ木で同時に子育て? (動画) 2008.05

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★捕獲禁止!野生化したインコが都内で繁殖中~

生息しているインコの種類はワカケホンセイインコ。
都内の20箇所以上に生息し、800羽を超える数がいるとのことです。

★インコが東京の空をライムに染める これは合成なんかじゃない

2014年09月12日 
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〈ちょっと散文〉

その1)今から20年弱前(1997年頃)、東京には既にインコの群れがあちこちにいたんです。


私の記憶によると、私の東京単身赴任時代の1997年~98年にかけて都内にはインコが群れて飛んでいるという新聞記事に何度か出会ったことがある。私はこの時に群れていたのは新聞のカラー写真からみてセキセイインコと思っていたのですが、その倍のサイズのワカケホンセイインコだったのですね。遠目では色は同じですからね。
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その後2000年までの二年間、都内に雪が積もった時があり、それにインコの話題にお目にかかりませんでしたから、越冬が出来ずに全滅したと思っていました。

処が、2000羽近くまで群れているということは、当時のインコの子孫達も生き続けているということなんですね。


その2)インコが多摩川近辺で群れているという文字を見つけ、夏目漱石を思い出しました。


確か文鳥を飼うのは江戸時代末期以降日本で流行っていて、明治の夏目漱石の時代では逃げた文鳥が群れになって多摩川の土手で飛んでいたとの記事があったはずです。

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この時、夏目漱石白文鳥を飼うのですが、餌をやらないから白文鳥は死んでしまいます。

漱石が、亡くなった白文鳥のことをこと細かく 書いたのには理由があるのです。

実は、その白文鳥と思いを重ねた女性は、幼馴染の綾さんで、嫁いだ後に同じく亡くなっているからです。



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※この白無垢の花嫁画像は京都・東山料亭「京大和」サイトから借用しました。

夏目漱石山岡荘八白文鳥を愛する記事
白文鳥に感じる女性への愛 2012/5/5(土) 


その3)野鳥ですが、十年弱前、わが町ではメジロが群れになっていたんです。


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桜の季節の夕刻、わが町島本町の山中にある若山神社の斜面に生えている数十本の桜の老木の梢(こずえ)は何百羽のメジロの集合場所でした。

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無論、当時は雀も群れていました。
近所の一本の樹には、毎夕、雀の数十羽単位の群れが飛んできて暗くなるまで喧騒たるものでした。数えたら400羽以上はいましたね。

夜中も騒ぐときがあるので、睡眠妨害と糞害で、その樹の一部を切り取ったら、今度はスズメに代わってヒヨドリが群れになってその樹で夜を過ごすようになりました。

ヒヨドリの糞の量は雀の十数倍はあるでしょうか。
たまらずその樹を切り倒しましたね。
無論、その後は鳥と無縁に。

夕陽に野鳥軍団が舞うを激写 2007/1/25(木) 
撮影場所は、阪急水無瀬駅と阪急大山崎駅の中程で、新幹線と阪急電車と並列している橋から水無瀬橋(西方)方面を見渡した水無瀬川沿いの右側(北側)の道路の頭上です。

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その4)ここ2~3年、赤とんぼも雀も消えました。


昨年から今春にかけて近所で見かけたり鳴き声が聞こえた野鳥は、ウグイスさんと、脚長のケリさんと、ハクセキレイですかね。

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雀は無論のこと、数年前まで種になったひまわりの花に群がっていたカワラヒワと、足元を這うように飛ぶメジロジョウビタキは全く姿を消しました。

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※ 一昨年のことです。町の農家のおじいさんと野菜のことで話したときのこと、(前年?それとも前々年?)この町では新たな農薬の使用が許可されて、それを使っているそうです。その農薬では、殺すのは小さな虫だけではないそうです。

小さめな野鳥がが消えていくのは、農薬と放射能が原因ですね。



(参考)
ウグイスさんの独唱会 2008/6/12(木) 

水無瀬渓谷上流は小鳥の春 2009/2/13(金) 

メジロメジロメジロ! 2009/4/8(水) 

ジョウビタキサラバ!って消えました 2010/1/26(火) 

あざみの花と地震雲 2011/5/15(日)  ハクセキレイ