【台湾人がそして世界が感銘する『武士道』】の続編


【台湾人がそして世界が感銘する『武士道』】の続編です。


その前に、私の以前のブログ記事の要約から、


戦前の日本の『修身・道徳教育』の世界的価値 2014/5/21(水) 

世界から戦前も戦後から今でも絶賛されている戦前の日本の『修身・道徳教育』、並びに『武士道精神・大和魂』。

明治四十一年にロンドン大学で国際道徳教育会議が開かれました。そこに提出された日本の修身教育は各国の注目を集め、道徳教育の粋として絶賛されました。

以来、多くの国が範を日本の修身教育に求め、修身を参考に道徳の教科書を編んでいるのです。

歴史学者のアーノルド・トインビーは古代ローマ帝国の興亡を研究して、明解にこう言っています。

「一つの国が滅びるのは、戦争によってではない。天変地異でもなければ、経済破綻によってでもない。国民の道徳心が失われた時にその国は滅びる」と。

 日本の修身教育の素晴らしさを知っていたマッカーサーは、手強い日本を骨抜きにし愚民化するために、修身や歴史の授業停止を指令し、過去の日本の『修身・道徳教育』、並びに『武士道精神・大和魂』を悪として、教育基本法を制定し、GHQの手先の日教組に指示し、教室で子供たちに徹底的に叩き込み洗脳したのです。

その子供が成長し大人になったのがあなたであり私なのです。
つまり、オカルト宗教に狂った信者と似て、洗脳され、狂っているのに自分こそまともとな人間と思っている自分なのです。

そのアメリカも、現代では日本の修身教育から学んでいます。

アメリカも学校に暴力がはびこり、学力が著しく低下し、麻薬さえ蔓延して、教育現場が荒廃した時期がありました。

時のレーガン大統領は日本に使節団を派遣し、その代表のベネットは『道徳読本』を書きました。それは三千万部という大ベストセラーになり、それを基盤にアメリカは再建に向かったのです。

そのベネットの『道徳読本』とは、戦前の日本の修身と国語の教科書からいい話を百話選んで編纂し、昭和五十一年に自費出版された本『修身・日本と世界-今こそ日本も考えるとき』を模写し、英文に書き直したものです。

戦後、西ドイツのアデナウアー首相は日本の修身に学んだ道徳教育を推進して復興を果たしました。イギリスのサッチャー首相は道徳教育を強化する教育改革を行ってイギリスを蘇らせました。ロシアや中国でも国民教育に力を入れているのは、教科書を見れば明らかです。

道徳教育の豊かな開発力を多くの国が知り、力を注いでいるのです。

「自由にのびのび」などと馬鹿なことを言っているのは日本だけです。





以下、続編

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 李登輝前総統、記念講演 「台湾精神と日本精神」 (2002.12.15)

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■台湾精神と武士道
それであるからこそ私は、終戦後における日本人の、価値観の百八十度の転換を非常に残念に思うのです。今日の日本人は一刻も早く戦後の自虐的価値観から解放されなければならないと思うのです。そのためには日本人はもっと自信を持つことです。

かつて武士道という不文律を築き上げてきた民族の血を引いていることを誇るべきなのです。そうすることで初めて、日本は世界のリーダーとしての役割を担うことができるのです。

次に台湾精神について述べてみましょう。台湾精神と言ってもそれをどのように定義するかはなかなか難しいことなのです。

戦後の台湾は久しい間、中国大陸から渡ってきた国民党政権に統治され、その間中華世界の伝統的な政治システムである皇帝型権力構造が持ち込まれています。中国の政治文化はあくまで政権の維持と強化のための文化ですから、法治ではなく人治であり、「公」と「私」の区別は不明確です。

「中国化」の政策の下、そのような価値観が台湾人に押し付けられ、その結果社会には腐敗が蔓延し、人々のモラルも著しく低下しました。

そこで私は総統に就任後、民主改革を推進したのです。台湾における民主化とは単に自由と民主の問題だけではなく、自ずと台湾のアイデンティティいう問題も招来するものなのです。

なぜなら台湾人は歴史的に自分たちの政権を持ったことがなく、この国の主人公であるという意識が必ずしも充分に育っていなかったからです。それまで台湾人の国民精神と言えば、中国人のそれであると極め付けられていましたが、アイデンティティを考える上で、当然台湾人独自の文化、精神とは何かを振り返らざるを得なくなりました。

台湾の民主化の過程において注目すべきは、台湾人社会が人治から法治へ比較的に整然と移行していることです。法治社会の実現には、人々の間に遵法精神があることが必須条件となりますが、台湾人はそれを日本統治時代に身に付け、戦後の人治社会の価値観に完全には染まっていなかったのです。大陸の中国人であるならば、まずは遵法の精神とは何であるかから始めなければならなかったでしょう。

台湾は周りを海に囲まれた島国であり、閉鎖的な大陸とは明らかに異なる、海洋国としての歴史コースを歩んできました。東アジア航路上に位置することから、早くから貿易中継基地として繁栄もしていました。原住民であれ台湾海峡の荒波を渡ってきた漢人の移民であれ、海洋的色彩の強い文化を持っていたということは容易に推測できます。

同じ海洋国家である日本の文化が台湾に入ってきた時、台湾人は瞬く間にそれを吸収しましたが、それに反して中国の大陸文化が結局根付かなかったのもそのためではないでしょうか。また山岳、平地の原住民も諸種族に分かれ、漢人の移民も言語はさまざまであるように、複数のエスニックグループが存在します。また西洋や日本などを含むさまざまな外来政権から文化的影響も受けてきました。そのほか、台湾の社会が開拓移民によって発展してきたことも忘れてはなりません。

■台湾文化の多層性
台湾人は頑張るという意味である「打ピィア」(パーピィア)という言葉を好みます。この「打ピィア精神」が今日の台湾の繁栄を支えていることは疑いない事実です。

また「武士道」を尚武の精神として捉えるなら、タイヤル族に代表される原住民にもそのような伝統はありました。大東亜戦争において台湾原住民の高砂義勇隊が見せた勇猛精神、自己犠牲の精神はよく知られているところです。

更に言えば、よく指摘される台湾人の「日本精神」(リップンチェンシン)ですが、これも台湾精神の重要な一つだと言わなければなりません。これは日本統治時代に台湾人が学び、ある意味では純粋培養されたとも言える勇気、勤勉、奉公、自己犠牲、責任感、遵法、清潔といった諸々の良いことを指すものですが、実はこの言葉が人口に膾炙(かいしゃ)したのは恐らく戦後からで、中国からきた統治者たちが持たないところの、台湾人の近代的国民としてのこれら素養、気質を、台湾人自らが誇りを以って「日本精神」と呼んだのです。

(※)用語説明 【膾炙】(かいしゃ)の意味
世の人々の評判になって知れ渡ること。

この台湾に根付いた「武士道」としての「日本精神」があったからこそ、台湾は戦後の中国の大陸文化に完全に呑み込まれることがなかった、抵抗することができたとも言えますし、それがあったからこそ戦後の近代社会が確立されたとも言えるのです。このように考えれば、「武士道」というものは、台日を含むアジアの近代建設の原動力であったことが理解できます。

■戦後台湾のモラル
しかしやはりそれでも戦後の台湾は、中国文化による悪弊を免れることはできませんでした。社会では公私の混同や実利主義の横行、モラルの低下といった悪弊が蔓延し、大きな問題となっています。それにはやはり中国化政策の中での台湾のアイデンティティの喪失が大きく影響しているのです。

それは日本の終戦後の自己否定つまり伝統文化の否定からくる価値観の混乱と全く同じ状況なのです。精神的な伝統や文化の重みを理解しようとせず、皮相的な進歩ばかりに関心を集中するのは現代社会の通弊だと言うこともできます。そこで私は総統の時以来、積極的に「心霊改革」を提唱してきました。

心霊とは精神のことで、それを変革することによって社会を古い枠組から脱出させ、そして新しい発想で新しい活力をどんどん生みだそうということです。

これは政治改革よりも更に困難なことです。知識人には「理性」ばかりで「実践」が見られない、つまり理屈ばかりをこねて一向に行動を起こさない傾向が目立ちますが、この改革はまず実践あるのみなのです。

■最良のテキストは新渡戸稲造「武士道」
そこで新渡戸先生の『武士道』です。私は「公」の精神を主軸に台湾人のアイデンティティを確立していくためには、この一書をテキストにするのが一番良いと考え、実際これを用いて台湾各界の人々に「公」と「私」の問題を語っているところです。

そのようにすることによって、かつて日本の武士道に学び、現在も台湾人の心に潜在しているはずの台湾精神を呼び戻せるはずだと考えているのです。
同じように日本人に対しても、あらためて武士道を見直し、かつての民族的な自信、誇りある日本人のアイデンティティを取り戻して欲しいと思うのです。

私は余生を台湾に捧げることを決意しておりますが、それと同時に日本を励ますことも、自らの使命だと考えているのです。

私はかねがね奥の細道を歩きたいという希望を語ってきました。それは芭蕉の『奥の細道』に表わされているわび、さびこそ、日本人本来のうるわしい心情であり情緒だと思っているからです。私は是非とも日本の人たちとそこを訪れ、そうしたものを一緒に再確認できたらと楽しみにしているのです。

(原本)

『日本の心●世界の声』目次(1)
『日本の心●世界の声』目次(2)